「報道特集」山本恵里伽アナ「とても驚きました」治安維持法による女性拷問に神妙

TBS系報道番組「報道特集」(土曜午後5時半)は16日の放送で、戦後80年を迎え、100年前に制定された「治安維持法」による言論などへの弾圧で、戦争に突き進んでいった背景を特集した。 番組では、1925年に制定された治安維持法が、当初の共産党への対処を想定したものから適用範囲が広がり、軍国主義に反対する市民が多く検挙されたことを報道。多くの若い女性が同法の犠牲になったことも伝えた。家族が特高警察から拷問を受けたという女性の家族が取材に応じた。また、貧しい人が病気の治療を受けられない状況を憂い、当時の共産党に入党した女性が、特高警察に逮捕され拷問を受けた様子を記した手記も紹介された。手記では、女性が男5、6人から裸にされたこととともに「獣のような彼等は私の陰部をたばこの火で焼いたのです」と、壮絶な拷問内容が明かされた。 山本恵里伽アナウンサーは「治安維持法で弾圧された人の中に若い女性たちがいた、ということにとても驚きました。性的な拷問を受けたという山田寿子さんの手記には『女を人間と考えなかった時代』と書かれていました。そんな時代に信念を貫いた力強い女性がいたということは、あまり知られていないと思うんです」と、神妙な表情で思いをはせた。 日下部正樹キャスターは「今の若い人には想像できないかもしれませんけど、女性には戦前、参政権、投票権がありませんでした。男女差別は歴然としていて、女性は家に縛られるか、働いても職場環境が劣悪。少女の身売りも珍しいことではありませんでした。自らの置かれた境遇を変えたいと、彼女らは労働運動や反戦運動を通じて、当時の共産主義に共鳴していったんです」と指摘。当時の軍国主義が戦時体制を保つため、治安維持法の適用範囲を広げ、「自由主義、反戦思想、宗教家から言論人まで、とにかく片っ端からアカ、非国民のレッテルを貼ってはしょっぴいていった。まさに法律の暴走ですよね」と結論づけた。 一方で現在、「自由の国」米国のトランプ大統領が、イスラエル支援の立場をとる政権への異議を封殺しているなどの状況も伝え、危惧を示した。

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