14年前に、岡山県内で起きた強姦殺人事件で娘を亡くした父親【画像(1)】が、岡山県警本部で自身の辛い記憶を語りました。 ■愛する娘の命を奪った強姦殺人事件 2011年9月30日(金)、午後6時半から午後7時半の間(推定)に、加藤裕司さんの長女・加藤みささん(当時27)は、元会社の同僚の元死刑囚の男(当時29)に性的暴行を受け、ナイフで十数回刺され、殺害されました。 その後、元死刑囚の男は、遺体を大阪へ運び、バラバラに切断してごみ袋に入れ、川などに遺棄しました。 元死刑囚の男は、2013年2月、岡山地方裁判所で死刑判決を受けましたが、被告側の弁護人の考えで即日控訴しました。しかし、翌月に控訴を取り下げたため、死刑が確定し、2017年7月に死刑が執行されました。 【第1回】【第2回】から続く。 ■始まらない裁判員裁判「無期懲役」か「死刑」か 元死刑囚の男に対しての裁判は、なかなか始まりませんでした。ようやく裁判が始まったのは、事件が発生して1年4か月後でした。 (加藤裕司さん) 「裁判員裁判ということで、裁判を行うということなんですけど、相手の弁護士からは、『検察が起こした起訴内容では、一切反論しません。争いません』ということでした」 「じゃあ、何を争うんだということなんですけど、要は『強盗強姦殺人』というのは、強盗殺人とは違って、“無期懲役か死刑”の2択しかないということでした」 「だったらすぐ始まるんじゃないか、と思ったんですけども、なかなか始まりません。裁判官と検事と相手の弁護士の3者で毎月1回、調整をしながら、いつまでに何をどうするというのを話し合うと」 「ところが、相手の弁護士がその日に出席しなかったら、1か月延びるんです。3か月くらい延びました。『あ、これは引き延ばし作戦だな』と思いました」 「検事さんに『早く裁判やってくれないと、こちらのテンションが下がってしまう』と言ったら、検事さんにすごく叱られて、『あなた一体何を言ってるんですか、あなたは裁判に出席することもできない、発言することもできないお嬢さんの代わりにあなたが戦うんですよ』と言われました」 「もうそれでいっぺんに目が覚めました。愚痴などを言っている場合ではない。もっともっと裁判員裁判に備えて、知らないことを勉強する必要があると思って」