神戸市中央区のマンションで20日夜、住人の女性会社員（24）が刺殺された事件で、兵庫県警葺合（ふきあい）署捜査本部に逮捕された容疑者とみられる男が、事件の数日前から現場近くのホテルに宿泊していたことが24日、捜査関係者への取材で分かった。関係者によると、容疑者は17～21日に勤務先から休暇を取得し、関西方面へ向かっていたとされる。 殺人容疑で逮捕されたのは東京都新宿区高田馬場の会社員、谷本将志容疑者（35）。事件は20日午後7時20分ごろ、同区磯辺通の9階建てマンションで発生。6階のエレベーター前で、この階に住む片山恵さんが血を流して倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。直前には、エレベーター内で谷本容疑者とみられる男が片山さんを羽交い締めにする様子を住人が目撃していた。 捜査関係者によると、谷本容疑者とみられる男が事件直前、30分以上にわたって片山さんの後をつけていたことも判明。片山さんは午後6時半ごろに勤務先の保険会社を出た後、同区内の神戸中央郵便局に立ち寄り、最寄りの西元町駅から電車に乗った。 阪神神戸三宮駅で降車後、買い物のために店に立ち寄ってからマンションに到着。周辺の防犯カメラの映像などには、会社付近から男が女性の後をつけている様子や駅で降りた後も追従する姿が写っていた。 事件後には、午後8時台にJR新神戸駅から東京方面に向かう新幹線に乗車。その後、22日にJR奥多摩駅（東京都奥多摩町）付近にいることが確認され、警視庁の捜査員が午後4時15分ごろ、町内を1人で歩いている谷本容疑者の身柄を確保したという。