26日午前10時ごろ、兵庫県西宮市浜甲子園3の住宅で「包丁を持って暴れている人がいる」と近くの女性から110番があった。甲子園署によると、90代男性と80代女性の夫婦が家の中で、隣に住む男性(74)が路上でけがをしているのが発見された。3人とも命に別条はなく軽傷とみられる。 同署は通報から約10分後、住宅から北に約360メートル離れた同市南甲子園3の歩道上で、逃げたとみられる男を確保。74歳の男性を包丁で刺したことを認めたため、男性に対する殺人未遂容疑で逮捕した。 同署によると、容疑者は同市の無職の男(39)。調べに「包丁でけがをさせたことは間違いないが、殺す気はなかった」と容疑を一部否認。一方、「殺そうとしたのは女性の方」などと説明しているという。 同署によると、男は同日午前10時前、夫婦を切りつけ、悲鳴を聞いて駆けつけた隣人の男性の胸部を刺すなどして逃走したとみられる。男性は刺された後、男を約320メートル追いかけたところで倒れていたといい、現場に到着した署員に「あの赤い服を着ているやつにやられた」と伝えたという。 同署は男が逃走したとみられる経路で血のついた包丁を発見。凶器の可能性が高いとみている。夫婦からのトラブル相談はなかったといい、男が女性を狙った経緯を調べる。 現場は、阪神電鉄甲子園駅の南西1キロあまりの住宅街。