静岡県内で警察官をかたる特殊詐詐が急増しています。ニセ警察官と高齢女性のやり取りから見えてきたのは巧妙化する国際犯罪の手口。詐欺被害に遭わないために私たちにできることとは? <ニセ警察官> 「捜査二課の佐藤です。本日の流れを説明させていただくんですけど…証書を解約して、ゆうちょ銀行の定期に移動していただく作業です」 こちらは2025年4月、県中部の高齢女性と特殊詐欺グループが実際にやり取りした様子を収録したものです。映っているのはニセの警察官です。 <女性> 「すみません、警察手帳とお顔を拝見したいんですけど」 <ニセ警察官> 「はい、どうぞ」 女性の求めに応じ、警察手帳のようなものを提示する姿が捉えられていました。 県警のまとめによりますと、2024年の上半期に確認された警察官をかたる詐欺は13件でしたが2025年の上半期はなんと102件に。被害金額は8億8500万円と2024年の同じ時期に比べ9.3倍になっています。警察への信用を逆手に取った特殊詐欺の急増に県警は警戒感を強めています。 <県警生活安全企画課 杉山慎一特殊詐欺分析補佐> 「犯人はいかにして県民からお金をだまし取ろうか考えていますので、より警察に見えるようにあの手この手で巧妙化している」 警察官をかたる詐欺で特徴的なのが国際電話の利用です。今回の画像をよく見ると… <社会部 寺坂元貴記者> 「このコンセントがいわゆる国際電話の証拠になっているんですか?」 コンセントの形が普段私たちが見るものとは違う形。海外から通話している可能性があるのです。先週、カンボジアで特殊詐欺に関与したとして10代から50代までの男女29人が逮捕・連行されるなど海外を拠点とした詐欺グループの存在が明るみになっています。 県警の分析では警察官をかたる詐欺の約8割が国際電話を通じての犯行でした。 <杉山補佐> 「詐欺犯人はプラスで始まる国際電話、非通知、知らない番号でかけてくる」 ニセ警察官の服装を本物の制服と比べてみると、胸の階級章や肩のワッペンなどは見当たりません。しかし、警察官から捜査に関する電話が掛かってくれば人によってはパニックに陥るのも事実。 偽物の捜査資料などを提示する詐欺事件も頻発していて被害に遭わないためには最新の詐欺の手口を知ることが大事と担当者は力説します。 <杉山補佐> 「そうした電話を受けた時に被害に遭わないためにも、まずは落ち着いて正しい知識を持って、相手の所属、名前、連絡先を聞いて電話を切ることが大切です」 詐欺への対策として有効なのは、国際電話の利用休止を申し込むことです。普段、海外とのやり取りがない人は、そもそも連絡を受けないようにすることが大事です。 また、詐欺集団はパニックになった相手を冷静にさせないために矢継ぎ早に指示をしてくるので、一旦電話を切ってしまうのも効果的です。