「大阪府警のオオノ」名乗り…ニセ警察手帳や逮捕状見せる詐欺 SNSに誘導 若い世代も標的に

各地で相次ぐ偽の警察官による特殊詐欺の被害が深刻化しています。 20代、30代の若い世代の被害が拡大しているということですが、なぜなのでしょうか。 警察官に成り済まし、現金などをだまし取る「偽警察官詐欺」。 2025年4月、静岡県に住む高齢女性が特殊詐欺グループと実際にやり取りした様子を収録した動画。 映っているのは、まぎれもない偽警察官です。 偽警察官: 捜査二課の佐藤です。本日の流れを説明します。 女性: すみません、警察手帳とお顔を拝見したいんですけど。 画面に映る偽警察官は女性の求めに応じ、警察手帳らしきものを提示しました。 警察庁によりますと、偽警察官による特殊詐欺の被害額は2025年6月までの上半期で389億円。 特殊詐欺全体の被害額の約65%を偽警察官詐欺が占めています。 年代別では20代、30代の若い世代が最も多く、被害の広がりが深刻です。 京都府警が7月に公開した詐欺電話の音声があります。 偽警察官(犯人): いわゆるマネーロンダリング事件の捜査を進めておりまして、今回、その主犯格の「容疑者○○」の自宅から、大量の通帳と銀行カードが見つかりまして、今お教えしている状況です。 2025年5月、“大阪府警のオオノ”と名乗る人物から30代の男性のもとにかかってきたというこの詐欺電話。 偽警察官(犯人): 「犯罪収益隠匿罪」というものが成立します。 提供者: 私、逮捕されるんですか? 偽警察官(犯人): 成立した場合ですね。はい、そうです。 警察によると、相手はこうした嘘の電話のあとにSNSのビデオ通話に誘導。 そのうえで偽の警察手帳や逮捕状を示して不安をあおり、金銭を要求するのが特殊詐欺グループの常とう手段だということです。 そうした被害が、なぜ20代、30代の若い世代に拡大しているのでしょうか。 フジテレビ・平松秀敏解説副委員長は「最大の理由はスマホなんです。かつて特殊詐欺といったら、固定電話に電話をして金をだまし取っていた、だから高齢者の被害者が多かった。最近はスマホに手当たり次第電話して金をだまし取る。これが最近の手口です。当然スマホを持っている20〜30代の若い人が被害に遭うようになった。その被害が拡大した」と指摘します。 こうした事態を受け警察庁は、9月4日から1週間、全国の警察と連携し、SNSを活用して偽警察官詐欺に遭わないよう集中的に注意を呼びかけることにしています。

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