米シカゴ、政権の移民取り締まりに備え トランプ氏は地元当局を批判

(CNN) 米イリノイ州シカゴ市の地元当局は、連邦政府による大規模な移民取り締まり作戦が週内にも始まる可能性があるとして警戒を強めている。週末にはジョンソン市長がトランプ政権の取り締まりに対抗するための行政命令に署名した。 イリノイ州のプリツカー知事は8月31日、州兵の派遣計画について政権と連絡を取っていないとし、こうした動きは「侵略」だと指摘した。「政権内の誰も、大統領もその下にいる人も、州政府や私に電話をかけてこない。そのため、彼らが秘密裏にこれを計画しているのは明らかだ。もし実際にそうするのであれば、それは米軍による侵略だ」 情報筋によれば、政権による強制執行活動は5日までに開始される見通しで、移民税関捜査局(ICE)や税関・国境警備局(CBP)の要員に加え、治安維持を名目に州兵が加わる可能性もある。 ノーム国土安全保障長官は、米CBSニュースの番組で「シカゴやイリノイ州、そのほかの州でICEと協力して活動を続けており、法律を順守していることを確認している。今後はこれらの活動にさらにリソースを加えるつもりだ」と述べた。 ノーム氏はシカゴ以外への強制執行活動の拡大について質問を受けると、政権は「何も検討対象から外していない」と述べ、シカゴに加えて、サンフランシスコとボストンに言及した。また、犯罪の問題を抱える共和党主導の都市についても検討対象になっていると示唆した。 シカゴでの移民取り締まりの動きはホワイトハウスと民主党主導の都市との対立をさらに激化させそうだ。トランプ大統領やその側近は、地方当局と連邦政府の移民執行機関の協力を制限する政策をめぐってシカゴを繰り返し非難している。 シカゴのジョンソン市長は行政命令に署名し、シカゴ市の警察に対し、連邦当局との共同パトロールや逮捕作戦など移民に関連した法執行に関与しないよう指示。連邦機関の要員に対してはボディーカメラの着用や覆面の禁止を求めた。 ホワイトハウスは、今回の移民取り締まりに向けた動きは、トランプ氏が言及してきた構想とは別物であると説明している。トランプ氏は首都ワシントンで現在行われているような連邦機関と州兵を動員して大規模な犯罪の取り締まりを実施するという考えに言及している。 トランプ氏は1日、SNSに、ワシントンでの犯罪に対する勝利を祝う投稿を行い、連邦政府による積極的な犯罪対策を各州でも実施するという自身の提案を拒否した民主党指導部を批判した。

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