アジア人として初めて米国野球殿堂入りしたマリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクター、イチロー氏(51)の米ワシントン州シアトルにある自宅に今年2月、強盗が入っていたことが明らかになった。米各メディアが15日(日本時間16日)に伝えた。 AP通信やシアトルの地元テレビ局KOMOなどによると、複数のセレブ邸を狙って強盗を繰り返していたとして起訴されたパトリック・メイソネット被告(29)の裁判が15日(日本時間16日)にシアトル近郊の裁判所で行われ、裁判資料から2月9日にイチロー氏宅に不法侵入していたと分かったという。 同被告が侵入した際、ベッドルームにいたイチロー氏の夫人、弓子さん(59)はドアを押さえて抵抗したが、ドアの隙間から催涙スプレーをかけられた。それでも弓子さんはドアに錠をかけて侵入を防いだという。イチロー氏と弓子さんは7月にニューヨーク州クーパーズタウンで行われた米野球殿堂入りの表彰式典にそろって出席した。 他にも同被告は仲間とともにシアトル近郊で不法侵入や強盗を繰り返し、マリナーズのルイス・カスティジョ投手(32)、ドジャースのブレーク・スネル投手(32)、米プロフットボールNFLシーホークスの元CBリチャード・シャーマン氏(36)、ラップミュージシャンのマックルモア(42)の自宅に侵入した罪で起訴されている。 イチロー氏、弓子さんの被害の詳細は不明。スネルは7万5000ドル(1100万円)相当のロレックスの腕時計を2本盗まれた。シャーマン氏もロレックスを1本盗まれたが、被害に遭ったのは3月30日の誕生日で「とんだプレゼントがやってきた」と話している。 同被告はシアトル近郊のレントン在住で、8月21日に自宅で逮捕された。盗まれた後に流通したと思われる、マックルモアが所有していたシーホークスとプロサッカーMLSサウンダーズのチャンピオンリングがシアトル南部の宝石店から回収されたという。同被告はこの日の裁判では無罪を主張した。 米国内では有名スポーツ選手宅を狙った犯罪が急増中。昨年10月には、NFLチーフスのスターQBパトリック・マホームズ(29)とTEトラビス・ケルシー(35)のカンザスシティー近郊の自宅に立て続けに空き巣が入った。今年7月にはドジャースの山本由伸投手(27)のロサンゼルスの自宅に強盗3人が侵入しようとしたが、愛犬がほえて未遂だった。米連邦捜査局FBIは、プロスポーツ選手を標的とする組織犯罪について警告を発して注意喚起している。