【解説】なぜ”ひき逃げ”の罪に問われない? 飲酒運転の車にひかれ大けがした女性の悲痛な訴え

ことし6月、飲酒運転の車にはねられ、顔や尻など、体中に大ケガをした女性がいます。読売テレビの取材に「大切なものを全部奪われた」と語りました。一方、被告の女が、きょうの初公判で語ったのは…。 ◆◆◆◆◆ ≪被害女性≫ 「なんで私がこんな目に遭わないといけないのかって…。許せないの一言につきます」 病室のベットに横たわりながら話す女性。飲酒運転の車にはねられて大けがをし、3か月以上の入院生活を余儀なくされました。事件があったのはことし6月。 ≪報告=的井文謙 記者≫ 「女性は自転車に乗ってこちらの専用レーンを走行中、後ろからくる車に追突されたということです」 警察などによりますと、午前3時ごろ、アルバイトを終え帰宅途中だった女性は、道路左端の自転車専用レーンを自転車で走っていました。その後ろから、1台の車がレーンにはみ出した状態で走ってきて、女性に追突。 車は自転車を跳ね飛ばし、女性を轢いて引きずったあと、走り去ったということです。女性は血だらけで倒れているところを発見。救急搬送され、命に別条はなかったものの、体中に大ケガをしました。 ≪被害女性≫ 「肉がはぎとられた筋肉がむき出しの状態でした。何に例えることもできない痛みで、夜も眠れないくらい痛かったです」 特に、尻の肉は大部分がえぐれ、皮膚の移植手術などを8回行ったものの、今もまともに歩くことができません。 顔の大半も擦れて血まみれに。傷跡はくっきりと残っていて、事故後は、部屋にある鏡を布で覆い、自らの顔を見ないようにしているということです。 ≪被害女性≫ 「顔だけじゃなくて体の傷も戻るかわからないので、不安を背負いながらこれからも生活しないといけないのかと思うと、すごい悲しいです。大事なもの全部奪われた気持ちです」 事故から2日後、堺市のアルバイト・木村穂乃香被告が逮捕され、危険運転致傷の罪で起訴されました。事件当時、木村被告は飲食店でのアルバイトの後、酒に酔った状態で車を運転していたということです。事件後、その場を立ち去った木村被告。その理由については…。 ≪木村被告≫ 「気づかなかった」 木村被告は、ひき逃げにあたる救護義務違反などの罪では起訴されませんでした。 ≪被害女性≫ 「私がこうやって生活している中で、加害者は平然と普通の生活をしているこの不公平さが憎いです。ちゃんと実刑を受けてもらいたいですし、受けてもらったとしても、私は絶対に許せることはないです」 迎えた、きょうの初公判。法廷に姿を見せた木村被告は…。 ≪裁判官≫ 「起訴内容に間違いありませんか?」 ≪木村被告≫ 「弁護士に任せているので、弁護士と同じ意見です」 自らの認否を明らかにせず、被告側の弁護人は後日、明らかにするとしました。身勝手な運転によってひとりの人生を大きく狂わせた事件。裁判の内容は、被害者が納得できるものとなるのでしょうか。 ◆◆◆◆◆

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