英エッピングのホテルに滞在の難民資格申請者、少女らへの性的暴行で禁錮1年 キス求め体触る

英南西部エセックス州エッピングのホテル前で、難民の受け入れに関する抗議活動が始まるきっかけとなった事件をめぐり、裁判所は23日、14歳の少女と成人女性に対する性的暴行などの罪でエチオピア出身の男性に禁錮1年を言い渡した。 ハドシュ・ケバトゥ被告は、7月7日と8日にエッピング市内で女子生徒に触れようとし、キスをしようとした行為について有罪判決を受けていた。 ケバトゥ被告の逮捕は、彼が滞在していた「ザ・ベル・ホテル」前で相次いだ一連の抗議活動につながった。ケバトゥ受刑者は、エチオピアからの難民資格申請者として同ホテルに滞在していた。 英内務省は、ケバトゥ被告の服役後に、国外退去処分を求める方針。 ケバトゥ被告は今月4日、2件の性的暴行、少女への嫌がらせ、性的行為への勧誘、そして性的暴行未遂の罪で有罪判決を受けた。 同被告は、エチオピアからスーダン、リビア、イタリア、フランスを経由し、小型ボートでイギリスに到着した8日後に、事件を起こした。 ケバトゥ被告の弁護にあたったモリー・ダイアス法廷弁護士は、「ケバトゥ氏の強い希望は、できるだけ早く国外退去させられることだ」と述べた。 イギリスでは2007年国境法に基づき、外国籍の人物が有罪判決を受け、12カ月以上の禁錮刑を言い渡された場合には、国外退去命令が出される必要がある決まりになっている。 ■望まれない行為だったのは「明白」 裁判によると、ケバトゥ被告は少女にキスをしようとし、太ももに手を置いた。また、別の子どもにキスをするよう少女に求め、自分はそれを見ていたという。 チェルムスフォード治安判事裁判所の判事は、当時制服を着ていた少女にとって、それは「嫌悪感を催し、吐き気を覚えるような」体験だったに違いないと述べた。 被害者は声明の中で、「友達と出かけるたびに、後ろを振り返って確認してしまう」と語った。 また、この現場に介入した女性は、ケバトゥ被告の履歴書作成を手伝った際に、被告が「私の優しさにつけ込んで」太ももに手を置いたと述べた。 この女性は、後にケバトゥ被告が少女とその友人たちに近づいて話しかけるのを目撃し、警察に通報した。 ケバトゥ被告は3日間にわたる裁判の中で、「自分は野生動物ではない」と主張。「こんなことはできない。これは反キリスト的だ。あの子たちはただの子どもで、純粋な子どもたちだ」と述べた。 しかし、量刑を言い渡したクリストファー・ウィリアムズ治安判事は、「ケバトゥ被告は、自分は犠牲者だという印象を与えようとして、スケープゴートにされたと主張した」と述べた。 同判事はまた、ケバトゥ被告は自分の犯行が「大規模な抗議活動」をイギリス国内で引き起こしたと知り、刑務所内で自殺を図ったと明らかにした。 スチュアート・コーウェン検事は、「被告は、この状況のためエッピングが混乱に陥り、多くの他の移民たちを巻き込んでしまったと話している」と述べた。 また、「ケバトゥ氏は、イギリスがどれほど厳格な国か知らなかったと発言している」とも述べた。 この裁判で証言した児童は、7月7日にケバトゥ被告が少女とその友人に対して「アフリカに戻ってこい。君は良い妻になる」と言っているのを聞いたと述べた。 少女たちがエッピングの市街地でピザを食べていたところ、ケバトゥ被告に声をかけられ、「ベル・ホテル」に戻るよう誘われたという。 話しかけられた少女は警察に対し、被告に「いきなり『君から1人、君の友だちから1人、赤ちゃんが欲しい』と言われた」のだと話している。 ケバトゥ被告はその翌日も、同じ少女に「かわいい」と声をかけ、ベンチでキスしようとした上、太ももに手を置いたところを目撃された。 少女は捜査官に対し、その場で「固まってしまった」と話した。また、「だめ、私は14歳」だと伝えたが、ケバトゥ被告は「年齢は関係ない」と返答したという。 ウィリアムズ判事はこれについて、「被告にとって、自分の行動が望まれていないものだというのは、極めて明白だったはずだ」と指摘した。 ■被害者らの「勇気に感謝」と警察幹部 裁判では、ケバトゥ被告が少女たちに対し、自分がアフリカ出身で、「ゴムボート」でイギリスに渡るために2500ユーロ(約43万円)を払ったと話していたという説明もあった。 また、ケバトゥ被告は自分の生年月日を1986年12月と述べた。それによると年齢は38歳になるが、裁判記録では実際には41歳だという可能性が指摘されている。 ケバトゥ被告は、自国では「スポーツの教師」をしていたと述べ、子どもたちを「明日の未来、新しい世代」と表現していた。 しかしウィリアムズ判事は、ケバトゥ被告が「再犯の重大なリスク」を抱えていると指摘。少女に別の子どもにキスをするよう求めた際に「明らかに性的に興奮した状態にあった」と述べた。 判事はさらに、履歴書の作成を手伝おうとした女性に対して性的暴行を加えた際、ケバトゥ被告が「無知かつ嫌悪感を抱かせる行動を取った」と述べた。 そのうえで、「この女性はしっかりした意思の持ち主で、自分のために正当に立ち上がっただけでなく、それ以上に、より弱い立場にある人たちのためにも立ち上がった」と判事は述べた。 エセックス警察のスチュアート・フーパー副本部長は、ケバトゥ被告の有罪判決を確保するために被害者たちが勇敢に行動したと話した。 フーパー副本部長は、「この女性たちは名乗り出て、私たちを信用して、自分の体験を話してくれた。私は今日、その勇気に対して自ら感謝の意を伝えたい」と述べた。 (英語記事 Epping hotel asylum seeker jailed for sex assaults)

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