10円、20円を握り締め、学校帰りにおやつタイム。とりわけ40代以降の中高年にとって、駄菓子の思い出は深いものがあるだろう。そんな業界に身を置く、名古屋の老舗企業に理不尽ともいえる判決がくだり、衝撃が走った。 甘じょっぱいたれと噛みごたえがクセになる「紋次郎いか」。そのラベルのイラストが著作権を侵害しているとして、小説『木枯らし紋次郎』の著者の遺族が訴えを起こし、被告の駄菓子メーカーが知財高裁で敗訴したのだ。 駄菓子の利益率を考えると、約5630万円という賠償額が与える打撃は想像に難くない…。 半世紀近く、‟共存”してきたようにみえた中、「なぜいま」だったのか…。そして、このイラストと『木枯らし紋次郎』は「本当に似ている」といえるのだろうか。(本文:友利昴)