10月23日、ポートランド・トレイルブレイザーズのヘッドコーチでありNBA殿堂入り選手でもあるチャウンシー・ビラップス、そしてマイアミ・ヒートのテリー・ロジアーが、マフィア組織が関わる違法賭博に関与した疑いがとあるしてFBIに逮捕・起訴された。FBIの発表によると、今回起訴された対象者は30人以上に上る。 2人の関わった違法賭博はそれぞれ別の事案だが、関連性があるとのこと。ビラップスを含む31人は、2019年以降複数年にわたり違法なポーカーゲームに関与していた模様。「元プロ選手とプレーできる」と一般人を誘った上で、不正に改造したカードシャッフラーやX線透視テーブルを用いてゲームを操作し騙していた疑いを持たれている。 ロジエら6人は、スポーツ賭博で選手やチームの内部情報を悪用した疑いがあるという。ロジエが試合を途中退場することを事前に共犯者に知らせ、スポーツベッティングで大金を獲得した共犯者と利益を折半していた疑いがあるとされた。元NBA選手のデイモン・ジョーンズ(クリーブランド・キャバリアーズ他)も同様の疑いで逮捕されており、FBI長官カシュ・パテル氏は本件を「NBA版のインサイダー取引だ」と述べている。 2人の逮捕について、NBAは以下の声明を発表した。 「本日発表された連邦当局による起訴内容について、現在、詳細を慎重に確認しています。テリー・ロジアーおよびチャウンシー・ビラップスの両名は、各所属チームより即時の職務停止処分とされており、当リーグとしても引き続き関係当局と全面的に協力して参ります。私たちは、今回の件を極めて重大な事案として受け止めております。競技の公正性を守ることは、今後も最も重要な責務です」 コミッショナーのアダム・シルバーは今週、現地メディア『ESPN』の番組に出演した際にスポーツ賭博への規制強化を支持すると述べたばかりであった。リーグは一部の賭博パートナーに対し、控え選手を対象としたプロップベット(個人選手の特定スタッツに賭ける方式)を制限するよう要請していること明かした。NBAの公式提携先であるFanDuel社は声明を通し、自社と違法賭博市場を明確に区別した上で「私たちは、公正な競技を損なおうとする者を排除するため、断固たる姿勢で取り組み続ける」と述べている。 49歳のビラップスは、1997年から2014年までNBAでプレー。2021年からブレイザーズのヘッドコーチを務めている。現役時代は7チームでプレーし、2004年にはデトロイト・ピストンズでリーグ制覇を成し遂げた。31歳のロジアーはNBA11年目を迎えており、2024年からヒートに所属している。 ブレイザーズは、アシスタントコーチのティアゴ・スプリッターが暫定ヘッドコーチを務めると発表した。