交通安全運動中なのに…死亡事故増 ひき逃げや警官の飲酒運転疑いも

福岡県警は「秋の交通安全県民運動」の期間(9月21~30日)に起きた交通事故の状況(概数)をまとめ、死者は4人だったと発表した。昨年と同数だが、運動の期間外の10日間平均(2.3人)を上回り、死亡ひき逃げ事件も起きた。 県警の担当者は「冬が近づき、薄暮から夜間の事故は増える傾向にある」とし、さらなる安全確認を呼びかける。 交通企画課によると、県警と自治体は期間中、駅や役所、署にポスター1万2千枚を掲示。チラシ7万5千枚を配り、交通ルールの順守や飲酒運転の撲滅を訴えた。目立つ色の衣服の着用や反射材の使用も呼びかけた。 こうした取り組みの効果をはかるため、県警は今回、県民運動の期間外(1月1日~9月20日)に起きた事故の平均(10日間分に換算)と比べた。 死者は昨年と同じ4人で、期間外よりも1.7人多い結果に。20~23年は0~3人だった。負傷者は583人で5.4人少なかった。 期間中の死亡事故4件のうち、2件は歩行者と車の衝突事故、他の2件はトラックと自転車・バイクの衝突事故だった。 期間中の9月29日の早朝には、福岡市博多区吉塚本町で横断歩道を歩いていた鹿児島市の女性(57)がトラックにはねられて死亡するひき逃げが起きた。 期間終了後の今月7日にも福岡市東区箱崎ふ頭5丁目で歩道を歩く女性(58)がトラックにはねられる、死亡ひき逃げが発生。いずれも容疑者が逮捕された。 また県警では期間中、南署の巡査部長が酒気帯び運転容疑で逮捕される不祥事もあり、交通安全への取り組みに水を差した。 同課によると、秋が深まるにつれて日没が早まり、暗い時間帯の歩行者と車の接触事故が相次いでいる。担当者は「今後もチラシやポスター、SNSを活用し、歩行者の安全確認の徹底や反射材の着用などを呼びかけたい」と話す。(根元紀理子)

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