世界自然遺産「やんばるの森」が広がる沖縄本島北部や離島で密猟し、香港に密輸しようとした中国人グループが摘発された。沖縄県警は24日、国の天然記念物で絶滅危惧種の「リュウキュウヤマガメ」などを捕獲したとして、種の保存法(捕獲禁止)違反容疑で中国籍の男女4人を再逮捕した。沖縄は独自の進化を遂げた野生生物の宝庫といわれる。希少な固有種は、種の保存法で捕獲や輸出入などが原則禁止されているが、海外では高値で取引されるといい、卑劣な違法採集が後を絶たないのが現状だ。 ■希少種のカメ107匹 再逮捕されたのは、中国籍の自称・環境研究者、林素怡(リンスウイ)容疑者(32)ら4人。再逮捕容疑は9月4日~10月3日ごろ、沖縄本島北部の国頭(くにがみ)村(そん)や離島の久米島町で、希少種のリュウキュウヤマガメ107匹、クメトカゲモドキ2匹、ホルストガエル1匹を捕獲したとしている。 捜査関係者によると、3人は容疑を否認、1人は黙秘しているという。 林容疑者ら男女3人は関税法違反容疑で逮捕され、残る男は西表(いりおもて)島(竹富町)で、国の天然記念物のヤエヤマセマルハコガメを採取して持ち運んだとして、文化財保護法違反容疑で逮捕されていた。沖縄地区税関は24日、このうち男女3人を関税法違反罪で那覇地検に告発した。 リュウキュウヤマガメは環境省のレッドリストで絶滅の危険が増大しているとされる「絶滅危惧Ⅱ類」に分類されている。世界でも沖縄本島北部のほか久米島、渡嘉敷島にしか生息しない国の天然記念物で、森林の中を歩き回って暮らしているとされる。 国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がるやんばる国立公園では、県警や県、環境省などによって密猟者の摘発パトロールも抜き打ちで行われているが、中国人4人のグループは今回、密猟の現場を押さえられたわけではなかったという。端緒はこうだ。 ■郵便局の段ボール箱から… 「不審な郵便物がある」