パリのルーヴル美術館から貴重な王冠の宝石などが盗まれた事件で、容疑者2人が逮捕された。フランスのメディアが26日に報じた。 報道によると、パリ検察当局は声明で、25日夜に容疑者を逮捕したと説明した。何人逮捕したのかは明らかにしなかった。 検察の説明では、容疑者の男性の1人は、シャルル・ド・ゴール空港で航空機に乗る準備をしていたところを拘束したという。 フランスのメディアが警察関係者の話として伝えたところでは、容疑者の1人はアルジェリアに渡るところだった。もう1人はマリに向かうところだった。 警察は、容疑者を最長96時間拘束して尋問できる。 仏メディアによると、容疑者の1人は、事件現場で発見されたDNAから特定されたという。犯人グループは、手袋や視認性の高いジャケットなどいくつかの物を現場に残していた。 犯人グループが、ナポレオン3世の妻ウジェニー皇后が所有していた王冠を落としたとされることも、これまでに報じられている。 パリ検察当局は、事件に関する情報の「早すぎる開示」が、盗難品や犯人の発見の妨げになっていると批判した。 世界で最も来館者の多い美術館のルーヴル美術館では19日、電動工具を手にした4人組の窃盗グループが白昼堂々と建物内に侵入し、総額8800万ユーロ(約155億円)相当の宝飾品を盗み去った。 法相は、警備の「失敗」でフランスに「ひどいイメージ」が残ったとしている。 仏メディアによると、犯人らが侵入したエリアの3部屋に1部屋は監視カメラがなかったと、事件の予備報告書が指摘しているという。 警察は、犯人らが館内に約4分間いて、外で待機していたスクーター2台で午前9時38分に逃走したとしている。 ルーヴル美術館のローランス・デ・カール館長は22日、国会上院の公聴会で、犯人らが侵入した側の外壁を映していた唯一の監視カメラは、宝石が盗まれた「アポロンのギャラリー」に通じるバルコニーとは別の方向を向いていたと説明した。 専門家らは、盗まれた宝石がすでに何百もの破片に細かく分けられている可能性があるとしている。金と銀は溶かすことができ、宝石も完全な追跡がほぼ不可能なほど小さく切り分けることが可能だという。 今回の事件後、フランスの文化施設は警備を強化している。 ルーヴル美術館は先に、最も貴重な宝石の一部をフランス銀行(中央銀行)に移した。現在、パリ中心部にある同行本店の地下26メートルにある、同行で最も安全な金庫に保管されている。 (英語記事 Two arrested over theft of jewels at Louvre museum in Paris)