「反戦歌」で罰金 ロシアのストリート歌手にSNSで連帯広がる

【AFP=時事】ロシアで禁止されている反戦の曲を歌ったとして逮捕された18歳のストリートミュージシャンの裁判が28日、首都サンクトペテルブルクの裁判所で開かれた。 「ナオコ」というステージ名で知られるダイアナ・ロギノワさんは、禁止されているロシア人歌手モネチョカの戦争に反対する曲を歌ったことが「軍を貶める行為」に当たるとして、裁判所から3万ルーブル(約6万円)の罰金刑を科された。 ナオコの逮捕を受け、彼女と所属するバンド「ストップタイム」を支持する動画がSNSに多数投稿され、他の若いストリートミュージシャンたちも罰金や収監のリスクを認識しつつ、公然と連帯を表明している。 ナオコと他のバンドメンバー2人は、サンクトペテルブルクの地下鉄駅前での演奏が違法な「大規模集会」の組織にあたるとして、それぞれ約2週間身柄を拘束されたこともある。 裁判を終えたロギノワさんは警察官に付き添われて車で連行されたが、行き先は不明だった。独立系メディアは、今後さらに重い罪に問われる可能性があると報じた。 ナオコを支持するために裁判所近くに集まった若者の一人は、「これは前例を作ることになる。歌を歌っただけで逮捕されるなんて」と語り、「彼女の歌は希望を与えてくれた。偶然見かけて一緒に歌った」と続けた。 ロシアは2022年2月にウクライナへの全面的な軍事攻撃を開始した直後に軍隊への批判を禁止し、これまでに数千人を拘束している。【翻訳編集】 AFPBB News

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