愛媛県今治市で2024年1月、ピアノ教師冨田小雪さん(当時64)を殺害したなどとして、殺人や逮捕致傷などの罪に問われた同県西条市の無職榊原正道被告(35)の裁判員裁判の判決が10月31日、松山地裁であった。渡辺一昭裁判長は「人に危害を加えることに対する抵抗感が全く見られない」などとして、懲役22年(求刑懲役25年)を言い渡した。弁護側は控訴する考えを示した。 判決などによると、被告は24年1月26日、冨田さん宅で冨田さんの首を包丁で5回切りつけ殺害。冨田さん宅を訪れたピアノ教室の生徒の両手両足を縛ってけがを負わせた。さらに、冨田さんの次女を車に乗せ監禁するなどした。 判決は、被告が元交際相手の次女に対し怒りを募らせ、包丁で脅してでも謝罪させようと考え冨田さん宅に侵入し、偶然鉢合わせた冨田さんを突発的に殺害したと指摘。別の傷害事件で執行猶予付き判決を受けてからわずか約5カ月での犯行に、「強く非難されるべきだ」とした。(中川壮)