茨城県桜川市の義務教育学校で剣道部の練習中に男子生徒にけがを負わせたとして教諭の男(37)が傷害容疑で逮捕された事件で、けがなどの事態を把握した県教委と市教委が男子生徒に聞き取りを行わないまま、男の処分を決定していたことが31日分かった。県教委は今後の捜査の進展を踏まえ、処分の再検討は「あり得る」としている。 男は2023年10月19日、顧問を務めていた剣道部の練習中、生徒を突き飛ばして重傷を負わせたとして、今年10月28日に逮捕された。当時、男子生徒と2人一組で「掛かり稽古」を行っていた。市教委は24年9月、県教委の助言に従い、教諭を文書訓告処分とした。 茨城新聞の取材に対し、市教委は「学校が聞き取りをしていたので、市教委としては直接の聞き取りを行わなかった」と説明。学校側は23年10月下旬、男や別の部員に当時の状況を確認後、生徒への聞き取りを行っていた。その際、生徒から「先生は怖い」との発言があったが、掛かり稽古の実施時間や倒れた回数などは確認しなかったという。 県教委は24年7月、男と当時の校長から聞き取りを実施。生徒の体調に配慮し「生徒への聞き取りは市教委や学校に任せていた」としている。