京都大職員に集団で暴行を加えたとして、暴力行為等処罰法違反の疑いで、中核派活動家の京大生の男が10月27日、京都府警に再逮捕された事件を受け、府警は31日、関係先として京大学生寮「熊野寮」(京都市左京区)を家宅捜索した。世間がハロウィーンで盛り上がる中、現場では警察官と活動家らがもみあいになる場面もあり一時騒然となった。 冷たい雨が降るハロウィーン当日の正午すぎ、府警の捜査員らが家宅捜索に取り掛かると、黒のサングラスに覆面姿の活動家らが続々と寮から出てきた。その数は約40人。リーダー格とみられる男性が捜査員に対し、拡声器で「違法だ!下がれや!」などと呼びかけると、「そうだ!」と周りも同調。罵声が飛び交う場面もあった。 寮の入り口付近では、大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」があしらわれたサングラスの男性が「10・27のタイホは弾圧」などと書かれた看板を持って抵抗していた。 寮の前の歩道は両者が入り乱れ封鎖状態に。歩行者が人だかりの間隙をぬって通行したり、車道側に出て迂回(うかい)したりしていた。通りかかった50代の主婦は「来るときは通れたんだけど…」と困惑した様子だった。こうした事態を受けて機動隊も出動し、午後1時すぎにようやく捜査員が寮の中に入った。 男の再逮捕容疑は何者かと共謀し昨年12月2日午後0時半ごろ、京大吉田キャンパス(同)で、集会・デモを実施した際、制止しようとした男性職員に対し、集団で体当たりをするなどの暴行を加えたとしている。男性にけがはなかった。 府警によると、男は中核派系の全日本学生自治会総連合(全学連)の副委員長。事件当時は「時計台占拠」などと称して無許可で集会・デモを実施し、拡声器で「学生諸君、スクラムを組め」などと呼びかけた。今年9月には男性職員への傷害容疑などでも逮捕され、その後、暴行罪で起訴されていた。