サッカー界のレジェンドの私生活をめぐる衝撃だ。 元イタリア代表のアレッサンドロ・コスタクルタの息子が、若かりし頃から違法行為に手を染め、薬物依存症となり、死も望んだことを語った。 セリエA優勝7回、チャンピオンズ・リーグ優勝5回を誇るコスタクルタは、ミランとイタリアサッカー界を代表するひとり。引退後はメディアでコメンテーターを務めており、妻のマルティナ・コロンバーリは女優・モデルというセレブ夫妻だ。 『Gazztta dello Sport』紙によると、アキッレ・コスタクルタはポッドキャストで、13歳のころにタバコを吸い始め、薬物にも手を出し、15歳なかばで逮捕されたと明かした。16歳の誕生日は施設で迎えたという。18歳のときに幻覚症状が出ていた際にタクシーでもめ、駆けつけた警官を殴るなどし、強制入院となった。強制入院の回数は7回にのぼったという。 施設の管理の目を盗み、自殺を試みたこともあると明かした。治療中に「毎日安楽死させてくれと頼んだ。もう感情がなくなって死にたかったからだ」との告白も。「そのとき父が泣くのを見た」と回想した。 幸いにも、現在は薬物から離れることができたそうだ。スイスの病院で「君は選ぶことができる。薬がほしければ道はある。だが助けが必要なら、ここに来なさい。私たちが君を助ける」と、手を差し伸べられたと明かしている。 「彼らに人生を変えてもらった。そのおかげでもうクスリはやっていない。本当に何が大切かを教えてくれるアプローチだった。一生感謝する」 「退院の日、父は迎えに来てくれた。ダブルレインボーが出ていたんだ。喜びと幸せで号泣した。父を強く抱きしめ、『僕らはやり遂げたよね。やめられた。これからも続けてみせる。空もそう言ってくれているよ。ダブルレインボーだよ、気づいている?』と言ったんだ。最高の瞬間のひとつだった」 昨年5月には、ADHDと診断されたという。コスタクルタ夫妻は、ADHDの子を持つ親の講座を受けたそうだ。アキッレは「それから僕らの関係は変わった」と話している。 「以前は家でケンカになると、外に出ては扉を壊していた。でも、以降はそういうことがなくなったよ。両親が自分への『ダメ』の伝え方を分かっているからだ」 ダウン症の子どもたちの手助けをしたり、理想とする施設をつくることが目標というアキッレは、「自分にあったことを恥じてはいない。結局のところ自分は普通の人間だからだ」と述べた。 「あのトラウマを忘れるのではなく、生かすことを学んだ。過激なことを経験したからこそ、今はちょっとしたことで本当に幸せを感じる」 コスタクルタ親子が幸せに暮らしていけることを願うばかりだ。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部