「父の執念が生んだ逮捕」名古屋・主婦殺害事件 当時2歳で居合わせた長男が心境語る 安福久美子容疑者(69)の犯行動機調べる

名古屋市西区で26年前に主婦の女性を殺害した疑いで69歳の女が逮捕された事件で、当時2歳で現場に居合わせた女性の長男が心境を語りました。 きょう午前、名古屋市内の寺を訪れたのは、26年前に殺害された高羽奈美子さん(当時32)の夫、悟さん(69)と長男の航平さん(28)です。奈美子さんの27回忌の法要が営まれ、2人は遺影の前で焼香した後、静かに手を合わせました。 高羽奈美子さんの夫、悟さん 「27回忌法要の前に犯人(容疑者)が捕まって区切りがついたと思う。これだけやってきたので、奈美子も許してくれるのではないかと思う」 高羽奈美子さんの長男、航平さん 「26年間捜し続けた犯人(容疑者)がようやく捕まって良かったという報告ができた。まだまだ分からないことが多い中でこれから明らかになってくることもあると思う、それも含めて報告できるときが来ればいいなと思う。この26年間は2歳だった僕も30歳手前になるくらいの長い年月。父の執念が生んだ逮捕とも思えるので、よく頑張ってきたなと思います」 息子の成長を見られなかった高羽奈美子さん。 高羽奈美子さん 『怖がっています~パパーこうちゃん~』 2年間だけ綴られた奈美子さんの育児日記には、息子と過ごした喜びであふれていました。 『なんて愛嬌のある子なんでしょ。超プリティ。乳離れ…昼間はほとんど飲まず。ちと悲しい』 事件当時2歳だった航平さん。小学生になると、航平さんは父親とともに事件の情報提供を求めるビラ配りに参加。実は母親が殺害された時、航平さんは母親の遺体のすぐそばにいました。 高羽奈美子さんの夫、悟さん 「ここか、こちらに、座っていた」 高羽奈美子さんの長男、航平さん 「(記憶ある?)全くない」 当時の記憶は全くありません。 高羽奈美子さんの長男、航平さん 「母親に対する記憶が一切ないので、憎しみは強くない。もし自分がそれを知って、記憶が戻ったりすると怖い」 発生から26年を前に、大きく動き出した事件。殺人容疑で逮捕された名古屋市港区のアルバイト、安福久美子容疑者(69)は、きょう身柄を検察に移されました。 警察は去年捜査対象者を洗い直し、改めて必要と判断した数百人にDNAの提出などを求める再捜査を進めていて、そのうちの1人が安福容疑者でした。安福容疑者は当初、DNAの提出を拒否していましたが、出頭の直前にようやく応じ、これが逮捕の決め手になりました。 高羽奈美子さんの夫、悟さん 「これが容疑者ですね」 安福容疑者は悟さんの高校の同級生で、同じソフトテニス部に所属していました。 高羽奈美子さんの夫、悟さん 「安福容疑者とはほとんど会話した記憶がない、いまだに信じられない」 悟さんは当時、安福容疑者から好意を寄せられていたということで、警察は、直接面識のない高羽さんを狙った動機を調べています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加