息子などを装って電話をかけ現金を詐取したとして暴力団幹部らが逮捕された事件で、警視庁と長野県警は6日までに、詐欺容疑で、特定抗争指定暴力団山口組系幹部の西郷正樹容疑者（43）＝住所不詳＝ら5人を新たに逮捕した。 認否は明らかにしていない。 同庁特別捜査課は、西郷容疑者らが昨年9～10月、全国の高齢者7人から計1270万円をだまし取り、詐取金が暴力団の資金源になっていたとみて調べている。同容疑者は「受け子」からの現金回収役のトップとみられるという。 逮捕容疑は共謀し、昨年10月23～25日、東京都内の90代男性に息子を装って電話をかけ、仕事で使うキャッシュカードを入れたポーチを病院に忘れたなどと説明した上で「現金が至急必要。上司の息子に現金を渡して」とうそを言って、現金計300万円を詐取した疑い。 同課によると、うその内容や手口が似た被害は昨年1月からの約1年間で、全国で約80件、計約3億円確認されており、同課が関連を調べる。