映像ジャーナリストの伊藤詩織さんによる初監督映画で、日本人として初めて米国アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた「Black Box Diaries」が12月12日から日本国内で公開すると6日、宣伝会社が発表した。 自身が受けた性被害を題材にしたドキュメンタリー。すでに海外60か国以上で上映されているが、許諾のない映像や音声が使用されていることを問題視され、国内の公開は未定となっていた。日本で公開されるものは、当事者から指摘を受けた部分などを一部表現を修正した上で公開する。 伊藤さんは「本作は、私が被害直後から日本で直面した現実を追い、記録した作品です。逮捕は直前で止められ、証拠や証言は黒塗りでした。それでも集めた真実の『かけら』をつないだのが本作です」と説明。「どうか私の名をいったん忘れ、身近な人の出来事として見てください。もし同じことがあなたや大切な人に起きたなら、何を信じ、どう動くのか。見終えたあとに交わされる小さな一言が、沈黙をほどき、次の誰かを守り、社会を少しずつ動かす力になると信じています」とコメントしている。