宗男氏娘・鈴木貴子議員「家宅捜索に入ってきた捜査官は我が家の居間で腕まくらをしてテレビを見た」「当時中学生の私の通知表も。なんのための押収だったのか」 高市総理に“法整備”訴え

7日の衆議院予算委員会で、自民党の鈴木貴子議員が、刑事訴訟法の再審規定(再審法)について高市早苗総理に質問した。 鈴木貴子議員は高市総理の所信表明における「確定した刑事裁判をやり直す再審制度の見直しについて検討を進める」という言葉を引き合いに出し、「所信で再審法に触れることは異例中の異例だと思っており、私自身は袴田巌元死刑囚の救援議員連盟の事務局長を13年間務めさせていただいている。(高市総理の言葉を)大変期待とともに受けとめさせていただいた。加えて、4日の参議院本会議の答弁でも『現在法制審において精力的に議論が進められているが、政府として責任を持って迅速に検討を進めていく』と明言していただいた」と期待を寄せた。 しかし、鈴木貴子議員は「法制審の運びにいくつか懸念がある」として「例えば冤罪被害者からのヒアリングはわずか2つの事件のみだ。冤罪の原因そのものの検証を捜査当局は十分に行っていない。再審請求に対して検察官が抗告できるいわゆる検察官抗告、この問題についてもドイツ・フランス・イギリス・アメリカなど主な主要先進国ではいずれも禁止されているが、法制審ではいまだに激しく対立している。法制審任せにするのではなく、何のための誰のための再審制度改革かという原点に立ち返り、冤罪をなくし真に国民の信頼に足る司法制度を構築するという国家意思を私は政治が示していくべきだと思っている」と述べた。 さらに鈴木貴子議員は「ちなみに、あくまでも私や私の家族の経験だが」として、受託収賄など4つの罪に問われた父・宗男議員の家族として家宅捜索を受けた経験を語った。 「家宅捜索に入ってきた捜査官は我が家の居間で腕まくらをしてテレビを見ていた。平べったい段ボールを開いて箱を作ってみずから持ってきた自らのカバンを入れて箱を閉めようとした。当時中学生の私が使っていた英会話学習のテープ、教材を箱の中に詰めて持っていこうとした。テーブルの上のティッシュも、私の通知表もだ。なんのための押収だったのかいまだに分からない。母が『何をそこで寝そべっているんですか。やることやってください』と声をかけていそいそと立ち上がられた姿を私の家族は一生忘れることはない」 さらに鈴木宗男議員の勾留について「真実を訴え続けた結果戦後最長437日間の勾留だった。その間家族ですら誰一人接見禁止という判断だったが、なぜか夏休み期間中に留学先のカナダから帰ってきた私だけは『高校生の娘さんだけはお父さんに会わせましょう』と連絡をもらった。里心をつけさせて検察が作った調書にサインをさせようという思惑があったのではないだろうか。その真意はわからないが、私は『家で父の帰りを待ちます』と伝えたあの時の気持ちは忘れることができないし、あのような悔しい思いを私は誰一人にもさせたくない。そんな思いでこれからも不条理と目の前に課題があるのであればそれを善処させていきたい。政治家としての国民の代表としての責務であると思っている」と語った。 鈴木貴子議員は続けて「死刑囚とされた袴田巌さんには一人息子がいる。58年間断絶だ。まさに再審が決まる直前に袴田さんが出先の土産屋でクマの小さい縫いぐるみを買われた。『明日息子が来るから渡してやるんだ』。今でもそのぬいぐるみは巖さんのご自宅の棚に飾られている。これが冤罪のもたらす事実だ。58年間、ようやく無実となっても帰ってこない時間がある。どうか高市総理、日本が世界の真ん中で咲き誇るためにも、私は法の下の平等や基本的人権、こういったものがあって初めて私は世界で咲き誇ることができる、初めて日本が世界で一番安全安心な国だと言えることができると思っている。高市総理、今後の再審法改正に向けてどのような思いで挑まれるのかスピード感も含めてぜひとも教えてほしい」と迫った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加