“弁護士”錦戸亮が、性別適合手術をめぐる裁判に挑む 傍聴席で裁判を目の当たりにしているような臨場感…本編映像3本

かつて日本で実際に起こった、性別適合手術(※当時の呼称は性転換手術)をめぐる事件をもとに描く映画「ブルーボーイ事件」から、本編映像3本がお披露目。ブルーボーイ事件の初公判や、主人公・サチ(中川未悠)と弁護士・狩野(錦戸亮)のつながりをとらえたシーンなどが切り取られている。 1965年、オリンピック景気に沸く東京で、街の浄化を目指す警察は、街に立つセックスワーカーたちを厳しく取り締まっていた。しかし、ブルーボーイと呼ばれる性別適合手術を受けた人々の存在が、警察の頭を悩ませていた。そこで警察は、ブルーボーイたちに手術を行っていた医師・赤城(山中崇)を逮捕し、裁判にかける。 同じ頃、東京の喫茶店で働くサチは、恋人・若村(前原滉)からプロポーズを受け、幸せを噛み締めていた。そんなある日、弁護士・狩野がサチのもとを訪れる。実はサチは、赤城のもとで性別適合手術を行った患者のひとり。赤城の弁護を引き受けた狩野は、証人としてサチに出廷してほしいと依頼する。 このほど以下の通り、本編映像3本がお披露目。傍聴席で裁判を目の当たりにしているような臨場感を味わうことができる。 ■ブルーボーイ事件の初公判 狩野弁護士が性別適合手術の適正について、無罪を主張 ひとつ目の映像タイトルは、「裁判の始まり」(https://youtu.be/U6m4Wsc8GdE)。赤城医師の初公判であり、ブルーボーイ事件の始まりともいえる、物語の大事なシーンだ。65年当時、日本では性別を変えることが明確に認められていなかった。警察は、生殖を不能にする手術は「優生保護法」(※現在は母体保護法に改正)に違反するとして、ブルーボーイたちに手術を行っていた赤城を裁判にかけたのだ。 検察官・時田(安井順平)が控訴状を読み上げると、狩野弁護士は、「優生保護法違反について、事実関係においても、また法律的な観点から見ても、被告人は全くの無罪であると主張いたします」と反論し、「被告人の行為が治療であったことを証明するため、被告人が執刀いたしました患者を証人として申請いたします」と、裁判官に訴えかける。この後、メイ(中村中)、アー子(イズミ・セクシー)、そしてサチも証人として裁判に関わることになり、赤城医師の治療行為の是非が、手術を受けた彼女たちは「幸せなのか」という観点で争われることになる。 ■ブルーボーイたちが証言台に立つ 性別適合手術の正当性の証明に奮闘する狩野 ふたつ目の映像は、「ブルーボーイたちの証言」(https://youtu.be/ims55ZL46Wc)。性別適合手術は当時、まるで闇手術かのようにいわれていた。狩野は赤城の治療行為の正当性を証明するため、「アメリカではすでに性転換手術は医療行為として認められています」と主張。手術を受けたのは「性転換症という精神疾患」を抱えた人々であり、手術はその治療の一環であるという筋書きを裏付けるため、メイ、アー子、サチを証人として呼んだのだ。 しかし、メイは「勝手に病人扱いしないでちょうだい」と一蹴。アー子も「アタイらは普通よ。普通に悩んで生きてるの」と怒りをあらわにし、サチも「私は私です」と、憂いを帯びた表情で訴えかける。 ■狩野「もう一度、あなた達のことを教えてもらえませんか?」 サチとともに再び法廷へ 3つ目の映像は、「サチと狩野」(https://youtu.be/uIARlA8W6Jw)。狩野が赤城の弁護を引き受け、そしてブルーボーイたちへの理解を改め、再び裁判に向かうまでの経緯を、サチと狩野に焦点を当ててとらえている。いままでの裁判で、ブルーボーイたちの気持ちを置き去りにしていたことを改めた狩野は、「もう一度、あなた達のことを教えてもらえませんか?」とサチに頼み込む。サチは自らの尊厳と誇りをかけて、司法や世間と闘うことを決め、再び証言台に立つ。 狩野から「手術を受けに赤城先生の元を訪れた日のことを教えてください」と問われたサチは、「その日、手術を受けに行った私は少し迷っていました」と、本当の思いをゆっくりと語り出す。 「ブルーボーイ事件」は、11月14日から全国で公開。

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