立憲・杉尾氏「詭弁だ」と高市首相追及「NHK党の活動にお墨付き与えた」自民との統一会派問題

立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は12日の参院予算委員会で、名誉毀損(きそん)の疑いで兵庫県警に逮捕された立花孝志容疑者(58)が党首を務める政治団体「NHKから国民を守る党」に所属する斉藤健一郎参院議員と、自民党が参院で統一会派を組んだことに関する高市早苗首相の対応を問題視した。 高市首相は、立花容疑者の逮捕後の10日の衆院予算委員会で、「自民党は参院で無所属の斉藤健一郎参院議員と統一会派を組んでいる。政治団体のNHK党と組んでいるということではない。会派名は『自民党・無所属の会』だ」と発言したが、斉藤氏はNHK党所属で副党首で、同党が単独で会派を組めないことから無所属の立場となっており、高市首相の苦しい答弁には、野党が反発していた。 斉藤氏は、立花容疑者の逮捕を受けて11日、自民党との統一会派を解消すると発表している。 杉尾氏は、高市首相の「NHK党と組んだということはない」という発言にかみつき、「自民党が会派を組んだのは『NHKから国民を守る党』で、あくまで自民党とNHKから国民を守る党との合流だ。総理の答弁は詭弁(きべん)であって、無責任と言わざるを得ない」と批判。衆院予算委での答弁の訂正を求めた。 これに、高市首相は「私の答弁は当時、まだ会派を離脱される前に『自民党は参院で、NHKから国民を守る党所属の斉藤健一郎参院議員と統一会派を組んでいる』という答弁をした。ここに何か、不都合がございますでしょうか」と、応じた。 杉尾氏は「違いますよ。NHKから国民を守る党と自民党会派が共同会派を組んでいる。(斉藤氏は)無所属ではない」と反論したが、高市首相は「私は、会派名が『自由民主党・無所属の会』というところまでしか承知をいたしておりません」と返し、杉尾氏は納得せず、一時、質疑が止まった。 高市首相はその後、「私も自民党の役員会で初めて報告を受けた。その時は、参議院で無所属の議員の1人が加わります、という報告までしか受けていない。今おっしゃった会派名は、今、承知しました」と、かわした。 杉尾氏は、「立花党首も、自民党と統一会派を組んだと言っている。こういうふうな事件になって、これは深刻な問題。(自民党との統一会派は)結果的に、N党の活動にお墨付きを与えたということにつながりかねない」として「責任をどう感じますか」と迫った。 しかし、高市首相は「警察において捜査中のお案件なので、個別事件についてコメントすることは差し控えますし、斉藤氏が所属する政治団体に関しては私からコメントすることはできません」と述べ、会派結成に関する責任については答えず、終始かみ合わない答弁が続いた。 杉尾氏は「今も捜査中で、事件についてコメントできないのは分かります」とした上で、「(立花容疑者の問題は)我々にとっても本当な深刻な問題。慎重にやるべきなのに、結果的に統一会派を組んだ責任の重みを理解してください」と、求めた。

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