タイ12歳少女の人身取引事件で母親に逮捕状 店に紹介疑い 警視庁

東京都内の個室マッサージ店で12歳のタイ国籍の少女が違法に働かされていた事件で、警視庁保安課が11日に少女の母親(29)に対して児童福祉法違反(児童を引き渡す行為)の疑いで逮捕状を取ったことが、警視庁への取材で判明した。事件は、未成年の少女が異国で性労働をさせられていた国際人身取引として国際問題に発展しており、タイ警察の幹部が来日して警視庁などと捜査に関する協議をした。 警視庁によると、母親は6月下旬、少女が仕事として性的マッサージをさせられる恐れを認識しながら、店の経営者である細野正之容疑者(51)=労働基準法(最低年齢)違反容疑で逮捕=に引き渡した疑いがあるという。 母親は、タイ北部で暮らす少女を連れて6月27日に来日し、東京・湯島の個室マッサージ店に連れて行った。母親は少女に「あなたはここに残って働いて」「客を射精させたら終わりだから」と伝え、自身は7月11日に出国。少女は1カ月間で60人近くの客に性的なマッサージをさせられた。 事件は、9月になって少女が1人で東京出入国在留管理局(東京都港区)に出向き、助けを求めて発覚。警視庁は、母親に来日の手引きや店の紹介をしたブローカー組織が関与しているとみている。 タイの現地メディアや台湾の捜査当局関係者によると、母親は帰国後の9月に台湾に渡航し、台湾北部・桃園で売春に関わった疑いがあるとして現地警察に逮捕された。移民署に収容されており、タイに送還される見込みという。 一方、タイでは日本での事件が「悲劇」と報じられ、タイ警察幹部が11日に来日。警察庁や警視庁を訪れて捜査幹部と面会した。警察関係者によると、日本側は、母親を台湾から直接日本へ移送するよう要望したという。【菅野蘭、深津誠、台北・林哲平】

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