「我々の使命」 再審無罪の前川彰司さん、えん罪訴えて闘う人たちを支援 再審法改正を強く訴える

今年8月、再審・裁判のやり直しで無罪が確定した前川彰司さんが、自分と同じようにえん罪を訴えて闘う人たちの支援を続けています。支援活動を「我々の使命」だと語る前川さん。再審のルールを定めた法改正を強く訴えています。 今年8月に再審無罪が確定した前川彰司さん(60) この日は奈良県に住む女性のもとを訪ねました。 ■やりとり 「福井事件の再審無罪が確定しました前川と申します」 「前川さん。聞いています。おめでとうございます。良かったですな」 岡美代子さん96歳。64年前の殺人事件をめぐって、亡き兄の無実を証明するため闘い続けています。 1961年3月。三重県名張市で起きた「名張毒ぶどう酒事件」地区の懇親会でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡し、ぶどう酒を会場まで運んだ当時35歳の奥西勝元死刑囚が逮捕されました。 裁判は捜査段階の自白の信用性などが主な争点となり、一審では無罪となったものの、控訴審では逆転死刑判決が下されました。 その後も弁護団は何度も裁判のやり直しを求めていましたが、10年前、9回目の再審請求の最中に奥西元死刑囚は89歳で亡くなりました。 現在は妹の岡さんが請求人となり、11回目の再審請求に向けて準備を進めています。 ■前川彰司さん 「名張事件と一緒で、一審で無罪判決が出ているんです。福井事件も名張と一緒です。一度は通ってますので再審は希望は捨てないで下さい」 この日は岡さんの96歳の誕生日。全国各地から支援者が訪れ、プレゼントと再審の早期実現に向けてエールを送りました。 ■支援者と岡さんのやりとり 「来年ももらわないとね。勝つまでや」 「兄も色々と長いので、皆さんにはお世話になって申し訳ございません」 「今度は岡さんだというふうに、いろんなところで語っていただく。前川さんがそういうことをいつも言っていただくこと。それが名張事件の解決に非常に大きな力になる」 前川さんは、奥西元死刑囚が眠る墓にも訪れました。 ■前川彰司さん 「力がある限りは、このような活動は自分の中で止めてはならないというか、出来ることはやらないといけない。それが我々の使命と痛感している。だから今は再審法改正をなんとしてでも成立させたい」 自分と同じように長年、えん罪を訴えて闘う仲間たちのために。前川さんの闘いはこれからも続きます。

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