バンクシー作品の「風船と少女」、ギャラリーから強奪した男に禁錮1年1カ月 英

ロンドン(CNN) 英首都ロンドンのギャラリーから、正体不明の芸術家バンクシーの作品「風船と少女」の署名入りのプリント版を強奪したとして、49歳の男に禁錮1年を超える実刑が言い渡された。 ロンドン警視庁によると、ラリー・フレーザー被告はロンドンの高級地区フィッツロビアにあるグローブギャラリーから昨年9月、27万ポンド(現在のレートで約5500万円)相当の作品を盗んだ罪で禁錮1年1カ月を言い渡された。 警察によると、フレーザー被告は非住居侵入盗の罪状1件について有罪を認めたという。 警察は14日の説明で、「ロンドン警視庁特捜部(フライング・スクワッド)の警官が容疑者の特定に尽力した結果、数本離れた通りにいる男を突き止め、フレーザー被告であることが判明した」と説明。「監視カメラには、彼が作品をバンに積み込んで現場から逃走する様子も映っていた」と明らかにした。 「フライング・スクワッド」は重大な組織犯罪の捜査を手掛けるロンドン警視庁の専門部隊。フレーザー被告の逮捕と「内密な捜査」を経て、4日以内に作品を回収したという。 美術品回収の専門家アーサー・ブランド氏はCNNに対し、盗まれた作品がプリント版だった点が注目されると指摘し、「プリント作品は複数存在するので売りやすい。絵画のような一点物を盗んでも、売るのは非常に難しい」との見方を示した。 警察がインターネット上で公開した映像には、フード姿の男がギャラリーのガラス扉を破壊した後、建物内によじ登って侵入し、壁からプリント作品を外す様子が映っている。 ギャラリーの管理人を務める男性は警察の声明の中で、強盗に「心からショックを受けた」と語りつつ、警察の「見事な」対応に感謝の意を示した。 赤いハート形の風船に手を伸ばす少女を描いたこの象徴的な作品は2018年、140万ドルで落札された直後に自らを破壊し、大きな話題になった。

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