元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が、16日放送のABEMA「ABEMA的ニュースショー」（日曜正午）にVTR出演し、99年に名古屋市西区のアパートで主婦高羽奈美子さん＝当時（32）＝が殺害された事件で、逮捕されたアルバイト安福久美子容疑者（69）が警察の事情聴取を拒否していることについて見解を語った。 安福容疑者は逮捕当初、調べに応じていたが、捜査関係者によると、その後は一転して供述を拒否。取り調べにも応じていない状態だという。 容疑者の心変わりについて、若狭氏は「経験上、分かるんですけど、自白していて途中で供述を黙秘するというのは例としてまあまあある」と語った。 犯行動機が分からない中で続けられる捜査。動機の解明は、検察において犯罪を立証する上で最も重要なポイントの一つだという。若狭氏は「どういう経緯で、どうして彼女を殺すという気持ちになったのか、動機が検察においては一番解明しなければいけない点」と指摘。「どうしてその後のいきさつがない中で、殺害しなければならなくなったのか。動機の解明というのが大きなポイントになるし、検察がどこまでその真相を解明できるか、今回の事件でポイントになる」と続けた。 容疑者が黙秘に傾いた動機として考えられる理由について、若狭氏は報道の大きさを挙げた。26年前に起きた殺人事件が、四半世紀の時を経て解明へ大きく動いた。容疑者が夫の元同級生だったことも、世間の驚きを誘った。 若狭氏は「容疑者が一番気にしている一つとして、どのように報道されるか聞かれるんです。今回の場合は、彼女が想像を絶するくらい大きく取り上げられた。それによって彼女の中で心が整理できずに、黙秘に傾くというのは、人間として、容疑者心理としてありうる話」と見解を口に。一方で、「こういうパターンの場合は、私の肌感覚でいくと、7割くらいは自白に戻ると思う」とも推察した。