わいせつ行為をしたうえ女性を殺害した男に、2度目の無期懲役の判決が言い渡された。 11月10日、殺人や強制わいせつ致傷などの罪に問われていた喜納尚吾被告(42)の上告を最高裁判所が棄却。2度目の無期懲役判決が確定した。 ’14年1月、新潟県新発田市内で20歳の女性Aさんに性的暴行を加え命を奪ったとされる喜納被告は、実は別の事件でも無期懲役の判決を受けている。’13年に新発田市内で女性4人を相次いで強姦し1人を死亡させたとして’18年に無期懲役が確定していたのだ。その後、’14年に起きた事件で新たに逮捕・起訴され、2度目の無期懲役となった。 『FRIDAYデジタル』は2度目の無期懲役判決が下ったこの事件を公判開始当初から取材してきた。喜納被告の戦慄の犯行を振り返る――。 「事件が起きたのは’14年1月。被害に遭ったのは製菓工場に勤めていたAさんです。事件当日、Aさんは早朝4時にアパートを出て車で勤務先の工場へ向かったのですが、出勤時刻の4時40分になっても現れず、行方不明となりました。 一方の喜納被告は夜間の仕事を終え、複数の同僚と未明まで飲酒。ラーメン店に移動する途中で、1人だけ別行動をとった。起訴状によると、性的行為を目的に女性を物色していたとみられます」(全国紙社会部記者) ◆顔をつかんで川へ突っ込んだ 喜納被告は出勤途中のAさんを見つけて声をかけ、車に乗り込むと「抵抗すると痛い目に遭うぞ」などと脅迫。下半身をさわるなどのわいせつ行為に及び、全治1週間のケガを負わせた。 「その後、喜納被告は近くの川へ車を移動させます。事件が発覚するのを恐れたのでしょう。Aさんの顔をつかんで川の中へ突っ込み、首を絞めるなどして殺害しました」(同前) わいせつ略取誘拐、強制わいせつ致傷、殺人の罪に問われた喜納被告には余罪があった。 「2013年から2014年にかけて、新発田市内で若い女性を狙った強姦などのわいせつ事件が続発していました。強姦致傷や建造物等以外の放火などで服役していた喜納被告が、刑期を終え新発田市内で暮らし始めたのが2013年7月。喜納被告は、市内で起きた少なくとも4件のわいせつ事件に関わっていたことが判明しています」(別の全国紙社会部記者) Aさんを殺害した事件の公判で喜納被告は「覚えていません」「記憶にない」を繰り返した。物証を提示されても、事件への関与を完全に否定。無罪を主張した。 ◆「誰でもいい」という無差別な犯行 検察側は喜納被告をこう責め立てた。 「(喜納被告は)極めて強い異常な性欲の持ち主と言わざるを得ない。意のままにわいせつな行為ができるなら、誰でもいいという無差別的な犯行。嫌がる女性をムリヤリ姦淫することに性的興奮を覚え、本質的に強姦への強い欲求がある。Aさんの殺害は、事件の発覚を防ぐ目的があった」 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が言う。 「起訴内容が事実なら、あまりに短絡的。自身の欲望のままに被害者を凌辱した卑劣な犯行です。犯行がばれるのを恐れ殺害までしているのですから。性欲を制御できないという自覚があったのなら、医師の診療や治療を受けるべきでした。被害者や遺族の方々の気持ちを考えるといたたまれない気持ちになります」 まさに鬼畜の所業。喜納被告は一生をかけて罪を償うことになる。