がん治療に関するワクチンの販売会社の設立名目で架空の投資話を持ちかけ、知人から現金約3千万円をだまし取ったとして、大阪府警は20日、大阪市大正区の無職、原田伸一容疑者(66)を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。 原田容疑者は「逮捕事実は全部でたらめだ」と容疑を否認しているという。 国際捜査課によると、再逮捕容疑は2023年7月中旬~8月下旬、70代の知人男性に対し、「アメリカでがんワクチン開発の特許を取得し、製薬会社とライセンス契約をした。大きな収益が見込まれ、元金保証で投資額を3倍にして返す」などとうそを言い、計約3千万円をだまし取ったというもの。 原田容疑者は当時、がんワクチン研究をうたう会社「エトセル研究所」(大阪市中央区)の代表と医学博士を名乗り、開発費などを募るクラウドファンディングへの協力をホームページなどで呼びかけていた。 原田容疑者について府警は10月、以前の勤務先のクリニック(大阪市北区)で無免許で医療行為をしたとする医師法違反容疑で逮捕し、大阪地検が20日に起訴した。 この捜査の過程で今回の詐欺容疑が浮上した。知人男性は原田容疑者を医師と認識していたという。(岡田真実)