巨額の洪水対策汚職に捜査のメス フィリピン「国家的スキャンダル」

フィリピン各地で発覚した洪水対策事業をめぐる巨額の汚職疑惑が、警察の本格捜査に発展した。国家警察などが政府職員8人を逮捕。元下院議員にも逮捕状が出ており、国会にも捜査の手が広がっていくとみられる。 国家警察などは24日、公共事業道路省の地域局長やエンジニアら8人を逮捕したと発表した。北部ミンドロ島で、予算2億8950万ペソ(約7億7千万円)の堤防工事をめぐる不正に関与した疑いがあるとしている。 工事は行われたが、政府が9月に現地調査したところ、防災に必要な基準を著しく下回っていることが判明したという。 今回逮捕された8人のほか、元下院議員や業者など計約20人が11月、特別反汚職裁判所に告訴されている。ただ、元議員は出国しており、マルコス大統領は24日の声明で出頭を呼びかけ、「逃亡を手伝う者も責任を問われることを忘れてはならない」と警告した。 不正は国内各地で数十億ペソ(1ペソ=約2.6円)規模に上るとされ、今回の事件は氷山の一角だ。ドゥテルテ前政権以前から長年続いてきたとされ、今後、新旧政権の中枢や国会議員にも捜査網が広がる可能性がある。

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