斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題を追及し、今年1月に亡くなった竹内英明元県議=当時(50)=に対する名誉毀損(きそん)容疑で逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首、立花孝志容疑者(58)=東京都港区六本木=について、神戸地検は28日、名誉毀損(きそん)罪で起訴した。 今後、公判が開かれ、審理される。死者に対する名誉毀損を巡り、公判を開かずに書面などで判断する略式起訴ではなく、正式に起訴されるのは異例。 兵庫県警が11月9日に同容疑で立花被告を逮捕していた。逮捕容疑は昨年12月13~14日、自身が立候補していた大阪府泉大津市長選の街頭演説で「竹内議員は警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」などと発言。竹内氏の死後の今年1月19~20日には、自身のSNSや埼玉県川越市議補選の応援演説で「どうも明日逮捕される予定だったそうです」などと虚偽の情報を発信し、竹内氏の名誉を傷つけたとしている。 県警は立花被告の認否を明らかにしていないが、捜査関係者によると、「発言したことは争わない」などと供述していたという。 通常の名誉毀損罪では発信内容が「真実」か「虚偽」かは問われず、名誉を傷つければ成立する。ただ、内容を真実と信じる相当な理由(真実相当性)などがあれば違法とはされない。立花被告は逮捕前、自身の発信内容には真実相当性があったとして名誉毀損には当たらないと主張していたが、逮捕後に接見した弁護士は、一転して真実相当性を争わないとしていた。 一方、死者に対する名誉毀損罪では、発信内容が虚偽である上、虚偽であると認識しながら発信したことが要件となるが、弁護士はこの点について、これまで認めるか否かを明らかにしていない。 地検は捜査の結果、立花被告が発信した情報には真実相当性がなく、虚偽の内容だと認識しながら発信したなどと判断したもようだ。