生々しいやりとり「ニセ警察官詐欺」音声を公開、被害額は県内過去最悪の約9億5000万円【新潟】

今年、県内で起きた特殊詐欺の被害額は過去最悪の約9億5000万円。その多くが『警察官』を名乗る手口だといいます。 県警は、ニセ警察官詐欺の電話音声を公開。生々しいやりとりが記録されていました。 ■ニセ警察官 「私、いち警察官が検事に対して『Aさんだけ逮捕しないでください』というのは言えないんですよ。」 2025年7月、新潟市在住の60代男性の元に福岡中央警察署捜査二課の警察官を名乗る男から電話がかかってきました。 これが偽者の警察官をかたる詐欺の電話、その手口は- ■ニセ警察官 「これ逮捕になるんですけど。」 ■男性 「え!逮捕されるんですか?」 ■ニセ警察官 「今回、詐欺罪としての逮捕になります。」 〝逮捕〟すると男性を脅迫、そして- ■ニセ警察官 「今回、容疑者が多いということで一斉に緊急逮捕するので、捜査順位が振り分けられているんですよ。(被害男性)さんの場合は187番目。」 ■男性 「ずいぶん後の方になるんですね。」 ■ニセ警察官 「そうなんですよ。」 ニセ警察官はウソの罪で逮捕すると脅し、複数いる容疑者の中で優先的に捜査を受ければ身柄を拘束されず済むなどと語りました。警察によると、この『優先捜査』などの見返りとして金をだまし取ろうとする詐欺が増えているといいます。 犯人が語る『優先捜査』- そんな制度はありません。 ■ニセ警察官 「検事いらっしゃってますので、福岡中央警察署に。」 ■男性 「はい。」 そして、ニセモノの検事が登場します。 ■ニセ検事 「事件が重大だということで、今回 福岡中央警察署に捜査本部がたてられ、そちらに今回出向している。」 検事が警察に出向することはありません。ニセ検事は口座を凍結するなどと男性を脅し、新たな口座を開設するよう迫ります。 ■ニセ検事 「こちらのほうも凍結っていうことなんです、口座を。」 ■男性 「あ一、一時凍結なんですか。」 ■ニセ検事 「凍結をして口座内を調べないといけない。生活費・お支払いもあると思う。安全口座(新たな口座)からお金を引き出してお支払いいただく。」 男性が疑いを強め、本物の検事だと証明するよう求めると- ■男性 「あちこちでも(詐欺の)注意喚起が多いもんでね。」 ■ニセ検事 「全国で警察官をかたる詐欺がちょっと増えてきてしまっているので。」 なんと、犯人自ら警察官を語る詐欺が増えていると言い放ちました。 ■ニセ検事 「またなにかあれば私のほうにまた連絡してください。時間があるときに時間作るので。」 ■男性 「はい、よろしくお願いいたします。」 ■ニセ検事 「お電話失礼します。」 ■男性 「失礼します。」 男性は警察に相談したため被害はありませんでした。警察は、電話での捜査や金を要求することはないとして注意をよびかけています。

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