次期大統領のドナルド・トランプは、2024年11月24日、カナダからの製品に25%の関税を課すと脅した。 トランプは、自身が創設したソーシャルメディアプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」で、カナダの移民政策と麻薬問題を批判した。 トロント地域商工会議所によると、カナダからの輸出品の約77%がアメリカに輸出されているという。 ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領は2024年11月24日、カナダ、中国、メキシコからの輸入品に新たな関税を課すと表明したが、これらの国々がアメリカ合衆国の主要な貿易相手国であることもあり、注目を集めている。 トランプの中国に対する強硬な立場は、アメリカの保守派は中国のことをアメリカの経済や安全保障に対する脅威と見なしているため、驚くべきことではない。また、メキシコに対する脅威も同様に驚くようなことではない。メキシコとアメリカの国境は移民問題を巡って対立を引き起こしており、注目を集めているからだ。 一方、カナダはアメリカの隣国であり、経済的に重要な貿易パートナーだが、トランプは中国やメキシコと同様にカナダにも強硬な立場を取る可能性があるということだ。 要するに、トランプはカナダの国境に関してもメキシコと同様に移民問題、麻薬問題(特に鎮痛剤のフェンタニル)、犯罪に対して懸念を示している。 トランプの関税計画は、彼の交渉戦略の一環である可能性があるが、過去1年間でアメリカとカナダの国境での逮捕者が急増しているのも事実だ。アメリカ税関・国境警備隊(United States Customs and Border Protection)のデータによると、2023年10月から2024年9月までの間に行われた逮捕件数は2万3721件で、前年の1万21件から大幅に増加した。ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)とNPR(National Public Radio)によると、カナダに一時的なビザで滞在するインド国籍の人々が不法入国の大部分を占めているという。 トランプが最も関心を持つ問題の一つが移民だ。移民問題はトランプにとって非常に重要なテーマで、2016年の大統領選挙の時からずっと力を入れて取り組んできた問題である。次期大統領の国境警備に対する強硬な姿勢は政治的な一貫性を示し、党の支持者との強い結びつきを作り出した。 トランプ次期大統領がカナダを標的とする方針を表明した後、カナダの首相ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)は11月26日、記者団に対し、トランプと「良い」会話を交わしたと述べ、自国で高まっている懸念に迅速に対応した。 「両国には強く密接で実りある関係があるが、どのように活発に交流しているかについて話し合った」とトルドーは話し、「ともに取り組むことができる課題についても話し合った」と付け加えた。 トランプは2024年11月25日、トゥルース・ソーシャルのプラットフォーム上でカナダとメキシコの両国を批判した。 「2025年の1月20日、私の初めての大統領命令の一つとして、メキシコとカナダに対し、アメリカ合衆国に輸入されるすべての製品に25%の関税を課すために必要なすべての文書に署名する。そして、その馬鹿げた開かれた国境についてもだ」とトランプはトゥルース・ソーシャルに書き込んだ。 「この関税は、麻薬、特にフェンタニル、そしてすべての不法滞在者が我が国への侵入をやめるまで継続される!」 もし実施されれば、このような関税の影響は非常に大きい可能性がある。というのも、トロント地域商工会議所(Toronto Region Board of Trade)によると、カナダの輸出の約77%がアメリカに向けられているからだ。 もしトランプが関税を実施すれば、彼が自身の任期中に締結したアメリカ・メキシコ・カナダ協定(United States-Mexico-Canada Agreement:USMCA)に違反することになると警告する貿易専門家もいる。この協定はトランプが長年批判していた1990年代の自由貿易協定である北米自由貿易協定(The North American Free Trade Agreement:NAFTA)に代わるものとして締結された。 全米貿易協議会(National Foreign Trade Council)のジェイク・コルヴィン(Jake Colvin)会長は、トランプが提案した関税が「USMCAへの明確な違反を引き起こす」と述べたとニュースメディアのロール・コール(Roll Call)が報じている。