新幹線の使用済み乗車券を不正に払い戻したとして、神奈川県警藤沢署は1日、藤沢市下土棚、自営業、木下貴之容疑者(52)を窃盗容疑で逮捕した。有人改札で退場時にスタンプが押され、穴が開いていない乗車券を、券売機に挿入して返金処理をしていたという。 逮捕容疑は6月19日、JR三河安城―熱海間の新幹線乗車券を、藤沢駅に設置された券売機で不正に払い戻し、現金7030円を窃取したとしている。同署によると、木下容疑者は三島駅の有人改札で途中下車し、在来線に乗り換えて藤沢駅まで移動していた。「誤って使用済みの乗車券を払い戻した可能性がある」と容疑を否認しているという。 7月にJR東日本横浜支社から「同じような人が何度も払い戻しをしている。券面にうっすら使用済みスタンプの跡が残っている」と相談があり、同署が捜査していた。発覚を免れようとスタンプを消し、払い戻しを繰り返した可能性もあるとみている。 同署によると、自動改札での退場時は乗車券に穴を開けるなどの処理が行われるが、有人改札では駅員が使用済みスタンプを押し、穴が開かない場合があった。【横見知佳】