ノーベル平和賞の授賞式 ベネズエラの野党指導者マチャド氏本人出席するか注目

【ロンドン=黒瀬悦成】ノーベル平和賞の授賞式が10日午後(日本時間同日夜)、ノルウェーのオスロで開かれる。今年の受賞者であるベネズエラの野党指導者、マリア・コリナ・マチャド氏(58)は、反米左派マドゥロ政権の弾圧を逃れるためベネズエラ国内に潜伏中。授賞式への出席を表明してオスロに向かっているとされ、実際に式典に現れるかどうかが注目されている。 マチャド氏はマドゥロ政権の強権主義的統治に抗議して反政権運動を展開してきた。ベネズエラ当局はマチャド氏を捜査対象にし、国外渡航の原則禁止処分を下しており、出国すれば帰国時に逮捕される恐れがある。 マチャド氏は9日にオスロで記者会見を開く予定だったが、当日にキャンセルされた。ノーベル賞委員会の関係者はロイター通信に対し「マチャド氏が出席を望んでいることは認識している」とした上で、授賞式までのオスロ入りの可否については定かでないと述べた。 オスロにはマチャド氏の長女で米国在住のアナ・コリナ・ソーサ氏ら家族が8日に到着しており、マチャド氏が不在の場合は家族が代理を務める見通し。 マチャド氏は2024年の大統領選で立候補が禁じられたが、代理で出席した野党候補の選挙運動を主導した。裁判所はマドゥロ氏の勝利を宣言したが、国際選挙監視団と野党勢力は選挙に不正があったと主張。当局が野党指導者らの弾圧を強化したため、マチャド氏は身を隠し、オンラインで情報を発信している。 授賞式には、マチャド氏を支持するパラグアイ、パナマ、エクアドル、アルゼンチンの中南米4カ国の首脳も出席する予定。

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