その警察官、本物ですか?今年に入り福岡県内のニセ電話詐欺被害は深刻さを増し、10月末時点で2024年の被害額を既に上回った。特に警察官を装う手口が多発しており、県は手口を体験できる動画を製作し啓発を強めている。 「あなたがマネーロンダリングに加担したのではないかという容疑が掛かっている」。警視庁捜査2課を名乗る男性が、電話口でこう語りかける。その後、SNSによるビデオ通話で警察の制服姿の男性が逮捕状のようなものを示す。 これは、県が県警の協力を経て製作した動画の一場面だ。タイトルは、偽警察官を意味する「FAKE POLICE OFFICER」。前編と後編でそれぞれ3分ある。 県によると、今年に入り県内のニセ電話詐欺の被害件数は10月末現在で1075件(前年同月比449件増)発生し、被害額は約44億6000万円(同約30億4000万円増)に上る。04年の統計開始以降、認知件数と被害額がともに過去最多だった24年(849件、約23億3000万円)を上回り、その多くは警察官を名乗る手口という。 動画では詐欺を見抜くポイントとともに、怪しいと感じたら警察専用相談電話「#9110」に電話するよう促している。県の担当者は「被害に遭わないため、まずは手口を知ってもらうことが大事。動画では手口を体験でき、家族や身近な人にも広めてほしい」と呼びかけている。動画は特設サイト(https://anzen-fukuoka.jp/stop_fraud/)で見ることができる。【宗岡敬介】