その眼光はカミソリのように鋭く…住吉会会長が前会長宅から5000万円窃盗容疑で逮捕 警察の狙い

短く刈り込んだ髪を丁寧に撫で付け、物腰や表情も穏やかだが、詰めかけた報道陣を見つめるその眼光は、カミソリのように鋭かった──。 12月7日、千葉県警千葉西署前には早朝からNHK以下、民放各社。大手新聞社、通信社の報道陣が集まっていた。午前9時半。建物の中から出てきたのは、指定暴力団住吉会会長の小川修容疑者(72)である。送検に立ち会った警察官たちからもただならぬ緊張感が伝わってくる。小川容疑者は、車に乗り込む直前まで、じーっと報道陣を見つめたままだった。 「小川容疑者は、’21年4月に九代目住吉会会長に就任。県警によると、関功前会長が病死した’22年5月31日夜から翌朝にかけて、参加組織の総長ら6人と共謀して、千葉県柏市にある前会長宅に侵入し、金庫から5000万円を盗みました。逮捕容疑は、邸宅侵入や、窃盗の罪です。 また、事件の1年後に、被害届を出していた前会長の自宅を管理していた女性(事件当時51)に現金2000万円を受け取らせて、被害届を取り下げさせようと女性を取り囲むなど、複数人で脅した疑いも持たれています。小川容疑者は、一連の事件の実行を、傘下組織幹部に指示したとされています」(全国紙社会部記者) 前会長の葬儀で、小川会長は施主を務めており、六代目山口組・司忍組長をはじめ、全国から組の最高幹部が弔問に訪れるなど“義理ごと”としてもかなり大きな会として、当時、報じられている。その隙をぬっての犯行に、組関係者からは“掟破り”という声まで出ている。 一部報道によると、5000万円は、前会長の遺族と組の間で、その所有権が争われていたという情報もあるが、警察は、住吉会会長らの逮捕に踏み切った。その先にある狙いはなんなのだろう。犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。 「住吉会といえば、六代目山口組に継ぐ大きな組織です。ただ、山口組内部でもさまざまな分裂や争いが起こっているように、住吉会のような大きな組織だと、内部でのいざこざは日常茶飯事です。ただ、それが傘下組織ではなく、会長が逮捕される状況に至ったことで、組織の脆弱さを露呈した形になりました。 今回の容疑で、起訴まで持ち込めるかどうかは不透明ですが、警察としては巨大組織のトップを逮捕できたということはとても大きな意味を持ちます。これを機に、内部から崩れる、綻びが出ることを狙っているのは間違いないでしょう」 実は、この5ヵ月前、フライデーデジタルは、司組長と小川容疑者との静岡での会合を撮っていた。小川容疑者は、最高幹部らとともに六代目山口組へ「時候の挨拶」に訪れていたのだ。逮捕のわずか3日前の12月3日も同様の挨拶に訪れており、両団体は、近年、関係を深めていた。そんな中での、住吉会トップの逮捕劇。これが両団体の関係に、果たしてどのような影響を及ぼすのだろうか。

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