電話で「お金」詐欺や闇バイトの被害を防ごうと、熊本東署は日没後、庁舎の正面玄関上部の壁に県警の詐欺対策マスコット「ワルモン」が登場する動画を投影している。年末に向け、通行人や近隣住民に警戒を強めてもらおうと12月に始めた。31日まで。 動画では、ワルモンがさまざまな詐欺師に変身して手口を紹介。偽の警察をかたったり、甘い言葉で投資を勧めたりする手口があるとして「電話・SNS（交流サイト）で『お金』は全て詐欺！」と注意を促す。 熊本東署は先月26日、氏名不詳者らと共謀して警察官らをかたり電話をかけ、熊本市の女性（82）から現金計1003万円をだまし取った詐欺の疑いで外国籍の男（54）を逮捕した。署によると、男は「受け子」とみられ「口座が犯罪に使用された。口座にある現金の紙幣番号を確認する必要がある」などと偽った。 熊本東署の柳原宏則生活安全課長は「多くの人に見てもらえるよう投影している。1件でも被害を減らしたい」。投影は午後10時まで。動画では「くまモン」も詐欺防止を啓発し、熊本城おもてなし武将隊は闇バイト、ロアッソ熊本の選手は自転車盗の防止を呼びかける。（佐藤千尋）