◇尹前大統領が1年以上前から「非常戒厳」準備 権力独占するため 韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の「非常戒厳」宣言を巡る内乱事件を捜査してきた趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官は15日、6か月間の捜査の結果を発表した。趙氏は尹氏などが権力を独占・維持する目的で非常戒厳を宣言した事実をつかんだとし、「信念によるものではなく、自分に逆らったり反対したりする人物を反国家勢力と決めつけ、非常戒厳を通じて排除しようとした事実を確認した」と述べた。特別検察官は尹氏が非常戒厳を宣言した動機の核心には長期にわたる権力独占と維持と指摘し、これに作用した背景の一つとして、妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏の逮捕回避も主な理由だったと判断した。 ◇非常戒厳で元軍司令官に懲役2年 特別検察の起訴で初の判決 尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言(昨年12月)に絡み、中央選挙管理委員会の不正選挙疑惑を調査する「第2捜査団」構成のため国軍情報司令部構成員の情報を不正に受け取ったとして個人情報保護法違反の罪などに問われたノ・サンウォン元国軍情報司令官の判決公判が15日、ソウル中央地裁であった。地裁はノ被告に懲役2年の実刑判決を言い渡すとともに、追徴金2490万ウォン(約262万円)の支払いを命じた。戒厳宣言を巡る内乱事件を捜査する特別検察官が起訴した事件では初の判決となった。ノ被告は古くからの知人だった金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長(起訴済み)の懐刀として、軍を去った民間人でありながら非常戒厳に深く関与したとされる。起訴状などによると、ノ被告は昨年9月から12月にかけて、不正選挙疑惑を捜査する秘密組織「第2捜査団」を構成する目的で、当時のムン・サンホ情報司令官などから同司令部の構成員の情報など軍事情報を受け取ったとして逮捕、起訴された。 ◇李在明氏の大統領選勝利演説の写真 米タイム誌「今年の100枚」に 米タイム誌が14日(現地時間)に公開した2025年の「今年の写真100枚」に、李在明(イ・ジェミョン)大統領が6月の大統領選の際に行った勝利演説の写真が選ばれた。大統領選の投開票が行われた6月3日、当時の最大野党「共に民主党」の候補だった李氏は最終結果の発表を控えた翌日未明、国会前で「皆さんが私に任せた最初の使命である内乱を克服する」と述べ、事実上の受諾演説を行った。 ◇IT大手カカオ社屋から爆発物見つからず 立ち入り規制解除 15日午前11時10分ごろ、韓国IT大手のカカオからソウル郊外の城南市板橋にある同社社屋に爆発物が仕掛けられた可能性があるとの通報があった。警察は消防、軍関係者など約70人を投入して捜索を行ったが、爆発物は見つからなかった。カカオ側によると同社のカスタマーサービスのサイトに、社屋に爆発物を設置したとして、特定の社員を銃で殺害するとの投稿があった。同社は万一の事態に備えて全社員を在宅勤務に切り替えたが、警察が社屋への立ち入り規制を解除したため、あす以降は通常通り出勤とする予定だ。