次々と新たな疑惑が…東京女子医大の元理事長転落の”女帝”を待ち受ける巨額の損害賠償請求訴訟

新校舎建設工事を巡り、約2億8700万円を不正に支出した背任容疑で、今年1月に逮捕、2月に起訴された、東京女子医科大学(東京都新宿区)元理事長の岩本絹子被告(78=逮捕時)。 かつて強権的な運営で知られた同被告に対し、大学側が8月、約2億4300万円の損害賠償を求める民事訴訟を提起している。 フライデーデジタルが入手した訴状等の裁判資料からは”女帝”の転落が如実にわかる。かつては自らが大学の代表として、批判的な卒業生らを名誉毀損で訴えていた岩本被告。しかし、逮捕された今は逆に大学側から提訴され、理事長時代に行っていた不可解な資金操作の実態を追及される側へと、その立場は一変したのである。 ’25年8月12日、東京地裁に提起された損害賠償請求訴訟。原告は学校法人東京女子医科大学、そして被告は元理事長の岩本氏である。 そして訴状には岩本被告の住所がこう記されている。 〈葛飾区小菅1丁目35番1号 東京拘置所〉 〈なお、現在、被告は、背任の容疑で起訴され、東京拘置所に拘留中である〉 岩本被告は現在、大学の新校舎建設工事などを巡る背任の疑いで東京拘置所に勾留されている。今回の民事訴訟は、この刑事事件とは別に、大学側が岩本被告に対し、過去の不正な資金支出による損害の補填を求めたもの。請求額は、2億4320万3181円にのぼる。 なぜ、逮捕から半年以上が経過したこのタイミングでの提訴となったのか。フライデーデジタルの取材に対し、東京女子医大広報は次のように回答した。 「逮捕・起訴に伴って押収されていた資料の一部が還付されたことから、それを踏まえて、訴訟提起の是非に関する検討を経て提訴に至りました」 警察によって押収されていた「動かぬ証拠」が大学側の手に戻ったことで、満を持しての提訴となった形だ。

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