マカオ司法警察局は12月26日、同月24日午後にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で強盗事件が発生し、同日中に容疑者の中国人(中国本土居民)の男3人(30〜40代)をマカオ国際空港内で逮捕したと発表。 同局によれば、被害者はマカオのカジノ施設内外において違法両替に従事する「換銭党」の男2人で、24日夕方に他人から預かった10万香港ドル(日本円換算:約200万円)分のゲーミング(カジノ)チップを持ち、指定された取引場所のホテル客室を訪問したとのこと。2人が客室に入ってすぐ、客室内にいた男が電話で仲間とみられる男を呼び、相手方が2人となった後、相手方に携帯電話を没収された上、金品を差し出すよう脅され、身の安全を考慮し、持ってきたカジノチップすべてを渡したところ、しばらくして警察に通報するなと警告された上で客室から出ることを許され、脱出後すぐにホテルの警備員に救援と警察への通報を求めたという。 通報を受けた同局が速やかに容疑者の追跡を行い、相手方の男2人がもう1人の仲間の男と合流し、3人でマカオ国際空港へ向かったことを突き止め、同日夜に空港の制限エリア内で全員の逮捕に成功。東南アジア方面に向かうフライトに搭乗間近だったとのこと。その後の同局の捜査で、男3人は共同で両替を装った強盗を企て、換銭党の男らから10万香港ドル分のチップを奪った後、第三者を通じて約9万人民元に両替し、3等分してそれぞれの中国本土の銀行口座に送金していたことなどがわかったという。 同局では、捜査で得られた情報を総合的に判断し、男3人を強盗罪で検察院送致するとともに、被害者である換銭党の男2人についても、賭博目的違法両替罪で別途立件する方針も明らかにした。 マカオではカジノでの賭博目的の資金をめぐる違法な両替や高利貸し、それに絡む強盗、監禁などの事件がしばしば発生しており、賭博目的の違法貸付に対する刑罰を強化した新法「打擊不法賭博犯罪法(違法賭博犯罪対策法)」が昨年(2024年)10月29日に施行されている。