尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領側が29日、12・3非常戒厳当時に尹前大統領から「逮捕しろ」「不法だ」という言葉を聞いたという趙志浩(チョ・ジホ)前警察庁長の証言について「明白な嘘」という立場を明らかにした。 尹前大統領の法律代理人団はこの日午後、公示を通じて昨年12月3、4日に趙前庁長が尹前大統領と電話をした時刻は国会議員らが塀を越える状況ではなかったとし、「現場の客観的な状況と全く合わない」と反論した。 尹前大統領は趙前庁長と昨年12月3日の夜に5回、翌日に3回の通話をしたが、その時刻はすでに国会への出入りが許容されたり本会議場で戒厳解除の表決が行われたりしていて塀を越える必要がない状況だったという説明だ。 尹前大統領側は「議員を逮捕しろという話が出てくるのはありえない」とし「どの通話でも塀を越える議員を逮捕しろという話をしたというのは明白な嘘」と強調した。 これに先立ち趙前庁長はこの日、ソウル中央地裁刑事合意25部の審理で開かれた尹前大統領の内乱首謀容疑続行公判に証人として出席した。 趙前庁長はこの日、尹前大統領側が証言の信憑性を指摘すると「どの通話で聞いたのかは分からないが、確実に『不法だ』『逮捕しろ』との趣旨で聞いたことがある」と述べた。