米トランプ政権が広げた「断固たる決意作戦」で拘束され米国の法廷に立たされたベネズエラのマドゥロ大統領の「運命」をめぐり、彼の弁護人と事件を担当する連邦判事にも注目が集まっている。 マドゥロ氏は5日、ニューヨークのマンハッタン南部連邦地裁に出廷し「私は依然としてベネズエラの大統領。私は品位ある人で有罪ではない」と話した。その上で「(起訴内容に対し)弁護士と言葉を交わした」と強調した。麻薬密売などの容疑で米連邦検察により起訴されたマドゥロ氏は3日に拘束され強制連行された。 法廷でマドゥロ氏が発言する間、彼の弁護士バリー・ポラック氏も同席した。ポラック氏は「米軍の連行には重大な問題がある」として今後の法理攻防を予告した。 ポラック氏が米国の有名弁護士で、米国政府の機密文書数十万件を入手し暴露したウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジ氏の弁護を担当したことで知られる。アサンジ氏は2019年にスパイ法違反など18の容疑で起訴され逃亡生活をしながら法的闘争を繰り広げた。ポラック氏は米司法省と交渉し、一部容疑を認める条件で2024年にアサンジ氏の保釈を引き出した。 このほか会計不正スキャンダルで2001年に破綻した米国企業エンロンの首席会計責任者を弁護し2006年に無罪判決を勝ち取った。2007年には両親殺害容疑で17年間服役したマーティン・タンクレフ氏の無罪を立証したことなどがよく知られている。 1990年に米国に逮捕され裁判を受けたパナマの独裁者ノリエガ将軍を弁護したジョン・メイ氏はニューヨーク・タイムズに「マドゥロ氏がポラック氏より優れた弁護人を探すのは難しいだろう」と評した。米国刑事弁護士協会のアンディ・バーレル会長は米NBCニュースに「関心が集中する事件には常に困難が伴うがポラック氏はベテラン」と話した。 事件を担当するアルビン・ヘラースティーン連邦判事もまた百戦の老将だ。今年93歳のヘラースティーン判事は1998年にクリントン元大統領が任命した。2011年に米国政府が「マドゥロの共犯」と名指ししたベネズエラ人に対する事件も担当した。ヘラースティーン判事はこの日の法廷で公訴事実を簡略に読み上げ、被告人に保障された法的権利を説明するなど基本的な手続きを進めた。 ヘラースティーン判事が注目されるのは、昨年5月に自身の管轄区域であるニューヨーク南部でトランプ政権の移民強制追放にブレーキをかけた前歴があるためだ。ある元連邦検事は米政治専門メディアのポリティコに「ヘラースティーン判事は本人だけの基準があり正しい仕事をしようと本当に熱心に努力する人物」と評した。