父親から壮絶な虐待受けた過去を持つ男性、非行少年らの支援団体を設立「どんな境遇の子も見捨てない」

父親から壮絶な虐待を受け、非行に走った経験がある滋賀県守山市の男性が、生きづらさを抱える青少年らを支援する団体を立ち上げ、活動している。「同じ境遇の経験者でないと救えない人生がある」。大人に不信感を持ち、行政の支援につながらない子どもたちに優しく寄り添う。 岩田大輔さん(24)。京都府北部の小学校に入学する前から虐待が始まり、十分な食べ物を与えられず、布団たたきで殴られた。各地を転々として野洲市に引っ越した。「虐待が拷問に変わった」といい、チューブ入りのわさびを何本も飲まされ、生理用ナプキンを口に入れられた。 児童相談所(児相)などに一時保護されても、家に戻れば虐待が続いたという。 岩田さんは食べ物や衣服などの窃盗を繰り返した。守山市に住んでいた中学生の時に児相のケースワーカーに対する暴行などで逮捕された。 送致された児童自立支援施設での出会いが転機となる。介護職員初任者研修の講座で高齢者の虐待や孤立の問題を知った。「自分の過去と重なる部分がある。助けたい」。障害者や子どもたちが虐待や孤立で苦しむことがない場所をつくることが夢となった。 施設退所後に建設会社で働いたが、親の同意が得られず、解雇されるなど苦労が続いた。以前に入所していた施設の先輩に頼まれ、窃盗を繰り返して逮捕され、少年審判の結果、保護観察処分になった。19歳の時に守山市内のデイサービスで念願の介護職に就き、現在は訪問介護事業所に勤めている。 団体「IrisSeed(アイリスシード)」は昨年5月に設立。非行少年らを支援しているほか、LINE(ライン)での相談やひとり親家庭の子に散髪を無料で提供する事業をしている。移動型の駄菓子屋を開き、学習支援もしている。 活動を共にするメンバーは19歳〜30代の約20人。京都や兵庫、愛知や埼玉などに住み、それぞれ虐待やいじめの被害、不登校や売春などの過去がある。「経験者は、苦しんでいる子どもが伝えたかったり、大人に話せなかったりすることを自分のことのように理解できる」と話す。 将来は、いつでも誰でも自由に過ごせる場所を県内につくりたいという。岩田さんは「どんな境遇の子どもでも見捨てることはしない」と強調する。 活動はアイリスシードのホームページやインスタグラムで発信している。

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