【思い語って】ネットで「殺人事件の犯人」に…タレントのスマイリーキクチさん(53)が語ったデマ被害

1999年のある日、インターネットで突然、「女子高生コンクリート詰め殺人事件」(88年に東京都足立区で発生)の犯人の1人だとデマを流された。事件当時、少年4人が逮捕されたが名前は公表されなかった。僕は足立区出身で犯人と同世代。それだけで出所不明の「犯人一覧」なるものに名前が載り、一気にデマが拡散した。 僕の所属する芸能事務所が「事実無根」と否定。それでもネットやファクスで「人殺しをテレビに出すな」「死ね」と、誹謗[ひぼう]中傷はやまない。殺害予告で番組出演を取りやめたこともあるし、今も新たな書き込みがある。まさか25年以上続くとは思いもしなかった。 相談窓口や弁護士、警察…。被害を訴えても誰も助けてくれないことが怖かった。9年たって、まだ数少なかったネット犯罪に詳しい刑事と出会い、しかも当該事件に携わった経験から「芸人になった犯人はいない」と断言し、捜査してくれた。 2009年、全国各地の17~46歳の男女19人が名誉毀損[きそん]容疑などで摘発された。彼らは「悪いやつを懲らしめる正義感のつもりだった」「ネットにだまされた」と言うが、デマを作った人だけでなく拡散した人たちも加害者。僕は本当に苦しめられた。

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