Doina Chiacu [ワシントン 15日 ロイター] – トランプ米大統領は15日、移民・税関捜査局(ICE)などの連邦捜査官の派遣を巡り緊張が高まっている中西部ミネソタ州で、連邦軍による暴動鎮圧などを可能にする「反乱法」を発動させる可能性を示唆した。 トランプ氏は「ミネソタ州の腐敗した政治家が法律を守らず、仕事を遂行しようとしている愛国的なICEを攻撃する扇動者や反乱分子を止めなければ、反乱法を発動させる」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。 ミネソタ州最大の都市ミネアポリスでは不法移民の摘発にあたっていたICE捜査官が地元女性を射殺する事件が発生。この事件を受け、全米に抗議活動が広がる中、14日夜には同市北部でICE捜査官が停車命令に従わず逃走したベネズエラ人男性の脚を銃で撃つ事件が起きた。この数時間後にトランプ氏は反乱法発動を示唆する投稿をした。 トランプ氏はここ数週間、ミネソタ州の民主党指導者らを嘲笑し、州内のソマリア系住民を「ゴミ」と呼び、国外追放すべきだと非難してきた。すでに約3000人の連邦職員をミネアポリス地域に派遣。職員らは迷彩服と顔を隠すマスクを着用し、路上で銃を携行している。 14日夜にはベネズエラ人男性がICE捜査官に撃たれて負傷した現場付近に住民が集まった。抗議の声が上がると、連邦職員は閃光手榴弾や催涙ガスで対応した。 移民取り締まりを監督する国土安全保障省は、捜査官は正当防衛のため、男性の脚を撃ったと説明。男性はバイデン政権下の2022年に人道的仮釈放プログラムで入国していた。トランプ政権はその後、ベネズエラ人に対する同プログラムを破棄した。 1807年に成立した反乱法は、州内での反乱鎮圧に大統領が軍隊を派遣したり、州兵を連邦軍に編入させることを認める法律であり、民事法や刑事法の執行に兵士を使用することを禁じる法律の例外となっている。 ニューヨーク大学ブレナン司法センターによると、この法律は米国で過去30回発動されている。最高裁判所は先に、発動条件が満たされているかどうかを判断できるのは大統領のみとの判決を下している。 ミネソタ州へのトランプ氏の強硬な措置は共和党支持者を二分している。15日に発表されたロイター/イプソスの調査によると、共和党支持者の59%は負傷者が出てもICE職員による逮捕を優先する政策を支持した一方、39%は逮捕者数が減ってもICE職員は人々に危害を加えないことに重点を置くべきだと答えた。