裁判官が思わず絶句した…20歳から約30年間のドロボー生活を続けた男が盗んだお金で買った「まさかのモノ」

日本で最も多い犯罪は窃盗だ。窃盗犯たちはどのような動機で盗みを働いたのか。週5日、東京地裁に通う阿曽山大噴火さんによる『バカ裁判傍聴記』(Hanada新書)より、約30年間ドロボーで生計を立てていた男の裁判を紹介する――。(第2回) ※本稿は、阿曽山大噴火『バカ裁判傍聴記』(Hanada新書)の一部を再編集したものです。 ■よくある盗難事件が話題になったワケ ニュースで大々的に報じられた事件でも、裁判の内容まで報じられるのはごく一部です。そこで今回は、実際に新聞・テレビで報じられた事件の傍聴記を。 ———- 罪名 建造物侵入と窃盗 被告人 無職の男性(52) ———- 起訴されたのは3件です。1件目は、令和6年7月10日深夜に、被告人がポストから合鍵を取り出して東京都港区内の焼肉屋に侵入して、現金2万円を盗んだ件。2件目は、7月27日深夜に、被告人がポストから合鍵を取り出して東京都港区内のクリーニング店に侵入して、現金12万円を盗んだ件。3件目は、9月25日深夜に、被告人がポストから合鍵を取り出して東京都品川区の居酒屋に侵入して、レジを盗んだ件。 新聞やテレビでは、閉店後の店舗に侵入して売上金を狙った連続盗難事件と報じられていました。よくある事件と言えばそれまでですが、犯人の格好が特徴的であるとしてネットなどで話題になったニュースなんです。被告人は、拾ったカラスの羽根三片を自分の帽子に挿して盗みを行っていたという。 防犯カメラの映像には、カラスの羽根が付いた帽子を被っている男が盗みをしている姿が映っていて、次々と犯行が発覚。警視庁の捜査員からは「カラス」というニックネームで呼ばれていたらしいです。カラスの羽根を身に付けてるからカラスって、ストレートすぎ。ニックネームをつけるなら、アイデアを絞って警察のセンスを見せてほしいですよ。 ■最後にドロボーをするなら東京で 検察官の冒頭陳述によると、被告人は中学卒業後に会社員になり、20歳くらいからずっと盗みをして生活をしていたそうです。前科は10犯。被告人質問。まずは弁護人から。 弁護人「なぜ、こんなことをやったんですか?」 被告人「お金が欲しかったからです」 弁護人「令和6月3月に大阪刑務所を出所したと。それからどんな生活をしてたんですか?」 被告人「九州の自宅に戻って、おとなしく生活してました。そして、お金もなくなってきて盗みをしようと、東京に行きました」 一念発起、盗み目的で上京を決意です。 弁護人「また盗みをやったら、刑務所に戻るとは思いませんでしたか?」 被告人「東京ですから防犯カメラも多いですし、最近はリレー捜査もあるんで、捕まる覚悟を決めて上京しました」 リレー捜査とは、街中に設置してある防犯カメラ映像をリレーのように繋いで犯人の足取りを追跡する捜査方法です。東京地裁でも、平成30年代から証拠として提出されることが増えている印象です。前科十犯の被告人にとっては、昔はなかった警察の強力な最新捜査という認識でしょうか。 弁護人「捕まりたいんですか?」 被告人「いいえ。最後にドロボーをするなら、自分の出発点である東京でやろうと覚悟を決めました」 弁護人「覚悟が違う気がしますけどね…」 弁護人も苦笑いです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加